グラン・クリュとグラン・クリュ・クラッセ | ろくでなしチャンのブログ

グラン・クリュとグラン・クリュ・クラッセ

 

           グラン・クリュとグラン・クリュ・クラッセ

 


サンテミリオン・グラン・クリュ~Saint Emilion Grand Cruとサンテミリオン・グラン・クリュ・クラッセ~Saint Emilion Grand Cru Classes と似たお名前が。

 正式にはAOC Saint Emilion Grand Cru と Cru Classesde Saint Emilion Grand Cru のようです。

 

 サンテミリオン・グラン・クリュはAOCの名称であり、サンテミリオン・グラン・クリュ・クラッセは格付けの名称(呼称)のようです。 

 

サン・テミリオンは次の8つのコミューンからなっています。


  サン・テミリオン~Saint Emilion

  サン・クリストフ・デ・バルト~Saint Christophe des Bardes

  サン・テチエンヌ・ド・リス~Saint Etienne des Lisse 

  サン・ティポリット~Saint Hipplyte 

  サン・ローラン・デ・コンブ~Saint Laurent des Combes 

  サン・ペイ・ダルマン~Saint Pey D´Armens 

  サン・シュルピス・ド・ファレイラン~Saint Sulpice de Faleyrens 

  ヴィニョネ~Vignonet 

 

 この8つのコミューンにAOCは2つ認められており、対象範囲は同一で、AOCサン・テミリオンとAOCサン・テミリオン・グラン・クリュが認められています。


 

○ AOCサン・テミリオンは、

 葡萄の天然アルコール量は10.5%以上

 基本収量45hl/ha以下

 分析官能検査は1回

○ AOCサン・テミリオン・グラン・クリュは、 葡萄の天然アルコール量は

  11.0%以上

 基本収量45hl/ha以下

 分析官能検査は2回、2回目は12ケ月の熟成後。

 

 AOCサン・テミリオン・グラン・クリュは300シャトーとも500シャト-とも言われているようですが、AOCの認定は毎年行われ変更することもあるのですが、どちらが正確なのか不明です。サン・テミリオンのブドウ栽培者は800名とも言われているようですが、独自にワインを造らずに葡萄だけの販売者がいることを考えると殆どのワインがグラン・クリュを得ているようにも思われます。

 

 このAOCサン・テミリオン・グラン・クリュを得ていることが条件の一部となり、格付けが認められることとなっているようです。表現の適格性を別にすると順に、

 

  AOC サンテミリオンダウン

  AOC サンテミリオン・グラン・クリュダウン

  (格付け)サンテミリオン・グラン・クリュ・クラッセダウン

  (格付け)サンテミリオン・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ

 

 となるのではないでしょうか。因みに2006年格付けの条件は

 

○生産者が文化的、経済的に十分な存在であること。

○生産者はワイン専用酒庫があること。

○生産する畑の50%以上がAOCサンテミリオン・グラン・クリュの

 ワインを造ることが出来、樹齢が12年以上であること。

○生産者は過去10年間で7回以上のAOCサンテミリオン・グラン・クリュ

  の認定を受けていること。

○畑の不動産評価額を変更しないこと。

○葡萄園で瓶づめを行うこと。 

○テロワールが秀逸であること。

○栽培・醸造技術が秀でていること。

○ワインの蔵出し価格が一定額以上であること。

○直近10年(プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ15年)の出来が秀逸であること。

 

 さて、サン・テミリオンの格付けは10年毎の改定が原則とされていたのですが、2006年の第4回目の改定が訴訟問題へと発展し紆余曲折を経て、第5回目の改定が2012年ヴィンテージに対する2013年春のプリムール販売に間に合うように2011年4月から受け付けが開始されているようです。


 新しい格付けではパリのINAOが主導権をとって、7人の審査委員を選出し、中立性を高めるため、委員には地元関係者の選出を避けているようです。
 審査基準、審査の方法に大きな変更はないようですが、試飲も50%以上の比重を占めるようです。
 大きな変更点は、最大90シャトーまでという上限枠を取り払う点にあるようです。2010年に確定したサン・テミリオン格付けは、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセAは2シャトー、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセBは13シャトー、グラン・クリュ・クラッセは57シャトーの計72シャトーが格付けされています。

 

 この上限枠の撤廃がどのように働くのでしょうか。2006年に発表されたサン・テミリオンの格付けが訴訟問題に発展し、2009年に格付け選考に漏れた11シャトーを復活させ、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセBに昇格した2シャトーと

グラン・クリュ・クラッセを認められた6シャトーを認めるという手法を採っていたところです。

 上限の撤廃は格付けシャトー数の増加を念頭に置いた措置と思われ、格付けを剥奪されるシャトーが訴訟を起こすことは十二分に考えられることから、既得権?尊重へとなるような気がします。せめてグラン・クリュ・クラッセを2つに分けてほしいところです。

 利害関係者の関与を一切排除し、INAOも無視し、ミシュランのように第三者機関が格付けを行ってほしいものです。

 

サンテミリオン格付変遷・詳解 こちらへ
サン・テミリオン新格付け(2010INO確定) こちらへ

 

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