ブライ・コート・ド・ボルドー評　価　その１

　　　　　　　　ブライ・コート・ド・ボルドー評　価　その１

　　　　　　　　　　　　　(旧コート・ド・ブライ)　　　　　ボルドー第４版より　

　ブライ・コート・ド・ボルドー　概　観

位　置/　ジロンド河の右岸。ボルドー中心部からはおよそ４８㎞。南に

　　はコート・ド・ブライがある。

葡萄の栽培面積/　７７３２．８ha

村　名/　大きなアペラシオンで、４０以上の村がある。

年間生産量/　２２５万ケース。(１ケースは１２本)

格付けされたシャトー/　なし。ただし、５２０のシャトーと、５００以上

　　の組合員を誇る６つの協同組合がある。

主な葡萄品種/　赤ワインがメルローが主体。白ワインはソーヴイニョ

　　ン・ブランとセミヨンに、少量のミュスカデとコロンバール。

主な土質/ 粘土と混ざり合った石灰岩、砂、砂利。

　ブールのすぐ北に位置するブライ地方には７，６４０haを超える葡萄畑がある。最良の畑がある地域はプルミエール・コート・ド・ブライ(旧)というアペラシオンになっている。ブライ地方ではかなりの量の白ワインが生産されているが、プルミエール・コート・ド・ブライのほとんどは赤ワイン生産に専念しており、プールの赤ワインによく似ている。最良のものは、早熟で、まろやかで、果実味が豊かで、やわらかで、控えめな造りながら計り知れないほどの満足感を与えてくれる。

　ブライは、プール同様、より高名なメドックよりもずっと古いワイン産地である。起源はローマ時代まで遡る。この地域は、ボルドー市を攻撃しようともくろむ侵入者に対抗する防衛線の役割を果たしていたのだ。今日では、プールからブライへの旅行者向けルートは、ボルドー地方でもかなり魅力あるものとなっている。

　コート・ブライ自体が、完璧に保存された１７世紀の軍事要塞(城塞)であり、フランス政府が歴史的記念物と位置付けている。また、近くのジロンド河をすみかにするチョウザメの数が増えているため、フランス政府が限定的なチョウザメ漁とキャビアの調整を許可していることを知ったら、グルメなら驚いて注目するかも知れない。ブライはこの小規模の産業の中心地である。

　ブライの葡萄畑はほとんどが、ジロンド河を見下ろす、南向きの、勾配の急な丘の斜面にある。土壌は傾向として石灰岩が中心で、粘土と、時には砂利質が現れる。とても肥沃な土壌で、収量を管理しようと思えば控えめに耕作しなければならない。葡萄品種は基本的にはプールと同じで、ブレンドの中心はメルローで、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴイニョン、マルベックが続く。コート・ド・ブライで最良の赤ワインは極めて端正に造られており、果実味が豊かで、最初の５年から６年以内に飲むのが最良である。このアペラシオンには、セミヨン、ソーヴィニョン・ブラン、ミュスカデ、メルロー・ブラン、フォル・ブランシュ、コロンバール、シュナン・ブラン、ユニ・ブランなど、興味深い白ワイン用の品種が植えられている。