スーパーマーケットとフランスワイン | ろくでなしチャンのブログ

スーパーマーケットとフランスワイン

ぶどう スーパーマーケットとフランスワイン  於フランス

 

 

 世界的に有名な総合小売業のウォルマートに次ぐ、フランスのカルフール。

1958年創業で、1963年にパリ近郊にハイパーマーケットを出店し、次々にスーパーマーケットを買収し、躍進する企業。


 ハイパーマーケットはスーパーマーケットより販売面積は広く、総合食品・日用品を中心として多種の製品を販売し、顧客は自分で商品をショッピングカートに乗せてレジで精算する仕組みの店舗形態のようです。

 カルフールは、店員がインナースケートを履いて店内を走り回っていることでも有名なようで海外でも躍進を続けています。もっとも日本進出は失敗した様で2005年に撤退しています。

 このカルフールの大株主がルイ・ヴィトン社です。あらら、スーパーマーケットとワインの匂いがしてきましたね。そう、シャトー・シュヴァル・ブランもスーパーマーケットと関連性があるのですね。


 フランスに於いて、1973年に「ロワイエ法」なる法律が施行されます。「ロワイエ法」は、大型店舗の拡大から国内の弱小小売業を保護するために、店舗の出店は政府の許可制とし、店舗面積を300平方メートル以内に制限するというものです。

 ハイパー・マーケットのような大規模小売業の出店を規制する法律なのです。フランスではスーパーマーケットやハイパー・マーケットなどのチェーンストアの売上が58%、専門店が31%の状態となり、伝統的な弱小小売業を保護するための法律だったのです。

 さらには、1990年代に入ると、「ラファラン法」により大型流通業社が300㎡以上の売り場を出そうとするには中小商人が参加する地域委員会の承認を経なければならないこととなり、小商工人保護のための厳格な規制を行います。


 そこで、大型店は国内のスーパーマーケットを買収するか、海外進出を図るしかなくなってしまったのです。結果的に、スーパーマーケットを所有していた方は大金でスーパーマーケットを売ることが出来たのです。シャトー・パヴィを購入された、ジェラール・ペレス氏等はこの例に当てはまるものと思われます。

 他方、フランス全土に1,600軒はあるというスーパーマーケット「フェリックス・ポタン」(Felix Potin)を買収し、本業で儲けてシャトー・マルゴーを買ったのは、アンドレ・メンツェロプーロス(Andre Mentzelopoulos)氏です。


 結局、保護主義を採るか規制緩和策を採るかは、何時の世も同じで2008年には規制緩和の方向へと舵を転じ、「ロワイエ法」も敷地面積1,000㎡以下のスーパーマーケット建設は規制対象から除外。従来事業の認可に必要とされた当該地の需要の立証という要件も撤廃。商業設備委員会の認可手続きを簡略化・迅速化したようです。

 

 ところで、いつものように話は脱線するのですが、フランスでは、自動車修理店、家具店、観光地の店舗などは日曜日に営業するのが認められていましたが、その他の店舗は日曜日に営業が出来なかったんだって。これも規制緩和で2008年からは、日曜日営業が認められたとか。

 そして、お話はワインの方に戻って、ハイパーマーケットでもシャトー・デイケムを初めボルドーのグラン・ヴァンが売られることがあるそうです。フランスに於いてはワイン専門店が減少しているとか。

 驚いたことにスーパーマーケットの販売価格は、シャトー蔵出し価格を下回る事もあるそうです。もつとも、ネゴシアンが高価格で購入した1997年の投げ売りだったと言われていますが。

 スーパーマーケットでの販売以外でも、不良の年の在庫は意外と早く売れてしまう(売りきってしまう)ようです。新しい年の良品が入荷すると、不良年のものは売れなくなり、在庫が増えるからなのだとか。

 

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