CH マレスコ・サン・テグジュベリ詳解 その1
シャトー・マレスコ・サン・テグジュベリ
Chateau Malescot Saint Exupery
3 級 PP2級 AOC Margaux
Commune マルゴー・カントナック
~1697年取得者シモン・マレスコ(ボルドーの最高裁所長)及び1827年取得者ジャン・バプティスト・サ
ン・テグジュベリ伯爵(星の王子様の作者アントワーヌ・サン・テグジュベリはひ孫)の名に由来。
セカンド ラ・ダーム・マレスコ
La Dame Malescot
畑 面 積 30ha マルゴー村、4区画
年間生産量 12万本
隣 接 畑 シャトー・マルゴーの南西
オーナー ジャン・リュック・ズュガアー~Jean Luc Zuger 1994年承継
コンサルタント オノログ・ミッシェル・ローラン
作付割合 カベソー50% メルロー35% カベフラ10% プティ・ヴェ 5%
平均樹齢 35年
植栽密度 10,000本/ha
総樹木数 20万本
収 量 52hl/ha
土 質 等 マルゴーに一般的な砂利質。表土は60㎝から90㎝、石灰質の含有量が他に比して多い。
タ ン ク ステンレスタンク16基、セメントタンク6基
新樽比率 80%~100%
収穫選果 手摘、小型の籠。
タンク搬入 2 階へ。
発 酵 8日から10日間
酵 母 無添加
樽 熟 成 14ケ月から16ケ月
コラージュ しない。
濾 過 しない。
アッサンブラージュ
1994年 カベソー50% メルロー35% カベフラ10% プティ・ヴ 5%
2009年 カベソー51% メルロー37% カベフラ 8% マルベック4%
2010年 カベソー58% メルロー30% カベフラ 8% プティ・ヴ 4%
2011年 カベソー50% メルロー45% カベフラ 5%
2012年 カベソー66% メルロー29% カベフラ 7% プティ・ヴ 8%
2013年 カベソー62% メルロー30% カベフラ 5% プティ・ヴ 3%
2014年 カベソー58% メルロー39% プティ・ヴ 3%
2015年 カベソー70% メルロー30%
2016年 カベソー50% メルロー35% カベフラ10% プティ・ヴ 5%
2017年 カベソー58% メルロー42% 新樽率70%(フレンチオーク)
2018年 カベソー50% メルロー35% カベフラ10% プティ・ヴ 5%
2019年 カベソー54% メルロー35% カベフラ 6% プティ・ヴ 5%
2020年 カベソー44% メルロー49% カベフラ 4% プティ・ヴ 3%
2021年 カベソー49% メルロー38% カベフラ 8% プティ・ヴ 5%
2022年 カベソー55% メルロー40% カベフラ 8% プティ・ヴ 5%
特 徴 骨の髄までのエレガンスと風格。フィネスと力強さとテロワールを表現。土壌が特殊な砂利
系で、メルロー比率が高く特有のキャラクター~エレ ガンスだが軽くない。
香 り スミレ、ラズベリー、プラム、タバコ、ブラック・カラントチェリー、ミネラル、鉛筆の削りカス、
飲み頃が続く期間/ 1990年以降は収穫後8年から20年~ボルドー第4版
飲む時期、予想される成熟度、デカンティング時間
シャトー・マレスコ・サンテグジュペリは、ワインの豊かな品質と個性のために、デカントで若い側で楽しむことができます。若いヴィンテージは、平均2〜3時間のデカンティングがお勧めです。これにより、ワインが柔らかくなり、香りが開きます。古いヴィンテージは、沈殿物を取り除くのに十分なデカンテーションをほとんど必要としないでしょう。
シャトー・マレスコ・サンテグジュペリは通常、少なくとも10年〜12年のボトル年齢で優れています。もちろん、それはヴィンテージのキャラクターによって若干異なる場合があります。ヴィンテージ後12年〜30年の間に成熟のピークに達するはずです。 出典 The Wine Cellar Insider
マリアージュ
シャトー・マレスコ・サンテグジュペリは、子牛肉、豚肉、牛肉、子羊肉、鴨肉、狩猟肉、ローストチキン、ロースト、蒸し煮、グリル料理など、あらゆる種類の古典的な肉料理に最適です。マレスコ・サンテグジュペリは、アジア料理、マグロ、マッシュルーム、パスタなどのボリュームたっぷりの魚のコース、チーズとの相性抜群です。 出典 The Wine Cellar Insiderider
評 価 ボルドー第4版より 重要なヴィンテージ+補記
古いヴィンテージ
ボルドーの多くのシャトーと違って、1982年と1983年(マルゴーのアペラシオンでは特にヴィンテージ)には顔見せできるほどのものを造れなかった。1970年代もがっかりさせられるものだった。1960年代では、1961年が傑出している。偉大な品質と強烈さがある非凡な作品である。1998年12月に最終試飲した時にはまだ92点という非常に高い点数が付いた。偉大なワインであり、このアペラシオンの原型だ。女性的で、繊細なのに華やかな芳香や、甘美な風味があり、バランスに欠けた部分がないのである。それ以外で凄いワインとしては1959年(93点、最終試飲(アンペリアル)1995年12月)、1953年(ひどくばらついた点数が付いたが、1999年12月の最終試飲では90点という高い点数がついた)がある。このシャトーは高得点をマークする能力を持っているし、最近のヴィンテージが確実に証明している通り、生産するワインは最高級のマルゴーを連想される。魅惑的でエレガントな特徴を持つこともある。
○ 1982年 PP85 Robert Parker Wine Advocate Dec 1995
瓶詰め以来めったに味わえないこのワインは、柔らかくフルーティーな個性を示しており、心地よいが際立ったレベルの果実濃度があります。今後4年〜5年で、この丸くてしなやかで完全に成熟したワインを飲みましょう。 予想される飲み頃 2000年まで
○ 1989年 PP87
歴史的に、1989年は品質が転換した目印の年になると思っている。1990年以降のヴィンテージのせいで影が薄くなっているが、優良なワインだし、1960年代、1970年代、1980年代に生産された大部分のワインよりははるかに優れているのだ。色は暗いルビー/ガーネット。ブーケはローストしたハーブ、甘いブラックベリーやレッドカラントの果実、土、スパイスの香りを思わせる。タンニンはほどほどに強く、いくらか生硬さもあるが、中間部には熟した葡萄と、魅力的なレベルのグリセリンからくる甘味がある。このエレガントな、柔らかいマレスコ・サン・テグジュベリは既に飲めるようになっている。最終試飲1998年4月。
予想される飲み頃 2010年まで
○ 1990年 PP90
このワインは印象的な成長を続けている。このヴィンテージの超大作の一つではないが、高品質なマルゴーに期待される古典的なエレガンスや芳香、調和はすべて持っている。色は未だに健康的な暗いルビーで、紫の色調も見られる。ノーズはみずみずしい、甘い、ジャムにした様なブラックカラントの果実と混ざり合った、白い花、スパイス、僅かながらスモーキーなオークのアロマを思わせる。ミディアムボディのワインで、食欲をそそる、広がりのある口当たりをしている。酸は弱く、リッチで、多層的なワインは、近づきやすいが、上品に成長していく能力もある。最終試飲1997年3月。 予想される飲み頃 2010年まで
○ 1994年 PP87
暗いルビー色と、草っぽい、カラントのような、バニラの香りのするノーズも魅力的であるが、特に魅力を感じたのは、層状の、果実味豊かな、見事なまでに純粋なスタイルだ。大柄なワインではないが、強烈さは良好で、上品さやバランスの感覚がある。5分から10分空気に触れさせると開いて広がっていく能力も印象的だ。スタイリッシュな作品と判明するのだろう。この草っぽさが西洋杉のような要素に変わったらより高い点数が付くようになるかも知れない。最終試飲1997年1月。 予想される飲み頃 2016年まで
○ 1995年 PP90
暗いガーネット/紫色をしており、古典的なマルゴーらしい一体感のあるエレガンスと豊かさが感じられる。ミディアムボディのワインで、繊細な、見事に熟した、ブラックカラントや花のようなアロマが、微妙な新樽と張り合っている。素晴らしい取り合わせ果実味、うまくまとまったタンニンと酸、スタイリッシュな、上品な感じが口蓋に当たる。骨の髄までエレガンスなボルドーは、多分瓶の中で良くなり続けるだろう。美酒である。最終試飲2002年1月。 予想される飲み頃 2018年まで
○ 1996年 PP91
この印象的な造りをしたワインは、縁いっぱいまで濃い深みのあるルビー/紫色をしており、ペリーの果実と混ざり合った煙草、花、バニラの香りのエレガントなアロマがある。層状で、ミディアムからフルボディ、純粋さや果実のエキスは傑出している。このシャトーとしては深みのある、リッチな、力強いワインだが、エレガンスや、潜在的な複雑さは全く失っていない。最終試飲2002年1月。
予想される飲み頃 現在から2025年
○ 1997年 PP82
1997年の300周年記念のエチケット
○ 1998年 PP90
古典的なこの1998年は、エレガンスと一体となった、素晴らしい舌触りをしている。リッチな風味はブラックチェリーやカラントで、その結果、骨の髄までボルドーらしいワインとなり、世界で生産されているどのワインとも違うのである。ワインには微妙な軽さ、何層もの果実味、霊妙な骨組みがある。一口ごとにニューアンスが増してくるようである。飲めばブラックベリー、プラム、カラント、タール、スパイス箱、ミネラルの趣も見つかるはずだ。見事に模様づけされている。最終試飲2002年3月
予想される飲み頃 2017年まで
○ 1999年 PP90
このヴィンテージの最上の作品の一つである。ハーブや、赤や黒系の果実、ミネラル、アカシアの花、甘草で構成された複雑な香りがある。暗いプラム色をしているが、2000年のような縁いっぱいまでの濃さはない。ただし、純粋な魅惑が感じられる。ミディアムボディの、見事にバランスのとれた、良好な舌触りをした作品だ。この世にこのようなワインを複製出来るところなど事実上あり得ない。最終試飲2002年3月。 予想される飲み頃 2012年まで
シャトー・マレスコ・サン・テグジュベリ詳解 1982年~1999年 その1 詳解はこちら
シャトー・マレスコ・サン・テグジュベリ詳解 2000年~2009年 その2 詳解はこちら
シャトー・マレスコ・サン・テグジュベリ詳解 2010年~2019年 その3 詳解はこちら
シャトー・マレスコ・サン・テグジュベリ詳解 2020年~ その4 詳解はこちら
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