14 コラージュ(collage)
それとなく14 コラージュ(collage)
/清 澄・澱下げ
スティラージュ(澱引き樽移し替え)後に行い、赤ワインの澱下げをコラージュ(collage)と呼びます。coller=「(糊で)くっつける」から名付けられました。
赤ワイン中に浮遊している過剰なタンニン分等の濁り成分を、結合沈殿させ、透明化し、澱引きを行い取り除きます。結果的に瓶詰め後の澱の沈殿を抑えます。
卵白清澄化
自然沈殿しない微量な浮遊物を卵白に吸着させて澱として沈殿させ、口当たりの荒い葡萄に由来するタンニン(樽から抽出されるタンニンではなく。)が、卵白中のたんぱく質と結合して、澱となって沈殿します。
新鮮な卵の白味を撹拌(メレンゲ)し、ワインの入っている樽の中に入れてよくかき混ぜます。卵は当日の朝とりたてのモノとか有機卵といった拘りを持つシャトーも見られます。卵白を入れる木椀はボンタン(bontemps)と呼ばれ、ボンタン騎士団の祖、ジャソ・オデュル・ポーラン・デスケー氏の名前ボスケー(ガスコーニュ語)のフランス語読み、ボンタンに由来します。
使用する卵の数は1樽に3個から5個位ですが、一級シャトーなどでは5個くらい入れますが、ボディのないワインに5個も入れると酒質が軽くなります。
2 か月程後に澱を吸着した卵白をスティラージュすると澄んだワインになります。ちなみに、フランス菓子、カヌレはコラージュで余った卵黄を使って作られたと言われています。
ベンナイト清澄化
アメリカ、ワイオミング州ベントン地方に産出する粘土の一種で、岩石の風化生成過程で生じた粘土鉱物で、結晶構造をもつ微細な粒子であり、水に溶かすと膨張し、粘性が上がりますが、 攪拌することで粘性は低下するという特徴があります。 しかもマイナスイオンに帯電しているので化合物を結晶の層の間に引き寄せて包み込むという作用があり、この性質を利用して、石鹸や猫砂に利用されます。
フランス産のモンモリロナイトは生産地モンモリオンに由来し、世界各国で採取されます。ワイン用清澄材は精製されており、粉末状となっています。
その他の清澄材
卵白の中のたんぱく質の一つであるアルブミンを抽出粉末化したものやゼラチンなどが有ります。安価ですが処理した後のワインの品質は卵白清澄、ベントナイト清澄に劣ると言われる方もいるようです。
ノン・コラージュ
コラージュを行わない場合は、濁り成分などがワイン中に残り、ワイン自体の厚みは有りますが、過剰なタンニン分により渋みが残る可能性はあります。当然瓶詰後の澱の量は多くなります。
コラージュするかしないかは醸造家が決定することとなります。
手法としては、スティラージュの回数を多くし、清澄化させてワインの旨みを残す手法もあります。
また、瓶詰前のフィルター処理との関係に於いて、フィルター作業は繊細であり、技量と感覚を必要とし、フィルターをかけすぎるとワインに必要な成分も取り除いてしまう恐れがあることから、ワインの豊かさを保持するためフィルターを使うことを止め、清澄剤の使用を重視し凝縮感のあるワイン造りを目指す傾向にあるようです。
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