13 スティラージュ(Soutirage)
それとなく13 スティラージュ、(Soutirage)
/ 澱引き詰め替え
発酵が終了したワインは保管庫(シェ)に移され熟成に入ります。しかし、熟成中には多くの澱が発生しますので定期的に取り除く必要が生じます。この作業をスティラージュと呼びます。
スティラージュは上澄みのワインを採る作業なのか、澱を採る作業なのか、移し替えの作業なのかではなく、一連の作業がスティラージュとなります。
作業は通常約3ヶ月に1度のペースで進められるようです。
高い位置にある樽の栓に特殊な装置のついた(液漏れしない様)ホースを差し入れ、下部の樽へ移し替え(注入)ていきます。移し替作業の後半からは、直接樽への移し替えを中断し、小型の桶に入れていき、澱の混入状況確かめながら移し替えを行います。
終盤は、二人一組で樽を傾けながら移し替えます。澱が残ったワイン(4から5リットルくらい)は別の樽に集めて保管します。この澱入りワインも数ヶ月後には澱引き作業をするようです。
通常移し替え作業とともに、樽の洗浄を行います。樽栓を下にしてジェット水流で洗浄します。
水切後、二酸化硫黄を棒状の先端に刺し、火を着け、樽の中を燻し、樽内消毒殺菌処置をします。
先の説明では、高い位置にある樽からのスティラージュでしたね。すると、低い位置に置かれている樽の移し替えには樽の移動が必要となりますし、なにせ手間のかかる作業です。
最近は電動ポンプを使用して吸引によりスティラージュを行う手法が取り入れられています。
この場合強制的に吸引すると樽底の澱まで吸引されスティラージュの意味が無くなりますので、吸引ホースの先端が樽底に着いても、吸引部は2~3センチ上部に設置されていますので澱を吸引しないで済む仕様になっています。
作業中は、透明なホース部分にライトを当てて澱の混入状況を確認しながら慎重な作業が要求されます。
ところで、シェに保管されている新品の樽って、樽栓を含む真ん中3分の1位が紫色(葡萄色)に成っているのを見ますね。あれは、スティラージュ作業でワインがこぼれて汚れ、雑菌の繁殖がおこるのを防ぐための事前処理だとか。
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