ワインの生産本数 | ろくでなしチャンのブログ

ワインの生産本数

               それとなく 9  生産本数

 

 

 株式会社マガジンハウス社の「ワインの謎解き」安間宏見氏著を読んでいたら、AOCワインは1ha当たり6,000本、AOVDQSは10,000本、ヴァン・ド・ベイは20,000本、ヴァン・ド・ターブルは30,000本と生産量の上限が定められているようです。

 グラン・クリュ・クラッセ・アン・メドック1855年における格付けワインは、AOC上以下の地区からなり各基本収量の最大量の制約を受けているようです。


 AOCサン・テステフは基本収量45hl/ha、

 AOCポイヤックは基本収量45hl/ha、

 AOCサンジュリアンは基本収量45hl/ha、

 AOCマルゴーは基本収量45hl/ha、

 AOCオー・メドックは基本収量48hl/ha、

 AOCペサック・レオニャンの基本収量は45hl/haとなっています。


 それでは45hl/haとはいったいどれ位なのでしょうか、1haは100メートル×100メートルの広さであり、45hlは4,500リットルであり、750ミリリットルのボトル6,000本に相当します。

 なるほどAOCは1ha当たり6,000本というのが判ります。



 1haは約3,000坪(1坪は畳2枚)なので1坪の葡萄畑から2本のワインが生産されることとなります。

 1坪の葡萄畑には概ね5本の葡萄樹ぶどうが植栽されており、1本の葡萄樹に8房の葡萄が育ちます。

 1房あたり50gですので1坪の土地から50g×8房×5本=2,000gのブドウが生産され、葡萄果汁は約1,600ミリリットル採れるようです。

 この量を醗酵させると約1,500ミリリットルのワインとなるようです。つまりワイン2本レトロ瓶レトロ瓶となります。

 ワイン1本は1,000gの葡萄、約20房の葡萄から作られることとなるというように記述されていると私は読み取りました。
 

 すると基本収量45hl/haの意味するところは1ha当たり45hlのワインが生産できることとなるのでしょう。

 そこで1坪以下の記述では、1坪の葡萄畑には概ね5本の葡萄樹が植栽されているとされていますが、いわゆるボルドー格付ワインでは植栽密度は1ha当たり10,000本位と認識しています。

 多分植栽密度もAOCで決められているものと思いますが、1ha(10,000㎡)当たり10,000本とすると1坪は3.3025㎡なので1坪あたり3.3本にしかならないこととなります。

 1本の葡萄樹に8房の葡萄とありますが収量制限で6房のところが結構あるようですが、これらの点が疑問となっています。

 そこで資料と比較しようと思い、ボルドー格付ワインを調べようと思ったのですが、セカンドワイン・サードワインの生産本数が絡むため難しくなるのでセカンドワインのないシャトー・マレスコ・サンテグジュベリで検討してみました。

 

畑面積23.5ha

葡萄樹総本数200,000本

収量52hl/ha

植栽密度10,000本/ha

生産量120,000本とあります。

 

 葡萄樹総本数200,000本で、畑面積23.5haなので、

 200,000本÷23.5ha=8,510本/haなので植栽密度は8,510本となりそうですが、平均植栽密度なので10,000本/haはまあ-こんなものかなと。

 畑面積23.5haで収量52hl/haなので

 52hl/ha×23.5ha=1,222hlすなわち122,200㍑のワインが生産されることとなります。

 

 ワインの本数で考えると12,200㍑÷0.75㍑=162,933本となりますが、シャトー・マレスコ・サンテグジュベリの名で出荷しているのは120,000本ですから(120,000本を超える葡萄液は選別の結果ジェネリックワイン用で別途販売でしょう。)



 シャトー・マレスコ・サンテグジュベリの総液量は120,000本×0.75㍑=90,000㍑すなわち900hl。

 900hl÷23.5ha=38.29hl/haでAOCマルゴー基本収量45hl/ha以下となりめでたしめでたし。


 収量はおそらく全生産量を表しているものと思われます。

葡萄樹総本数にしても植え替えによる若木も入っているのではないでしょうか。

 たしか4年未満の葡萄樹からとった葡萄液は出荷できないようですし、10年未満の若木からの葡萄液もグラン・ヴァンには使用しないものと思われます。  

 葡萄樹の理想樹齢は30年位と言いますから、単純計算で毎年畑の葡萄樹の30分の1づつは植え替えをする必要があります。つまり葡萄樹の30分の4は使えないので、

 葡萄樹総本数200,000本×30分の26=173,333本分の葡萄樹からだけの生産量となるはずです。生産量も30分の26となる筈ですから、

 前記推定生産量162,933本×30分の26=141,208本がワイン生産量となります。

 シャトー・マレスコ・サンテグジュベリの生産量が120,000本ですからあまり多くを選果していないことになるのかなあ?それともジェネリックワイン用に回しているのがすくないのかも。

 また、収量にしてもシャトーの平均値を表しているものであり、グラン・ヴァン用の畑区画の葡萄のみを選別して醸造しているシャトーもある訳ですから単純な計算とはならないのかも。また、私の計算が正しいのかも不明です。ばいきんまん

 

                           溜め息  改・ブログ総索引-1 こちらへ

                          溜め息 改・ブログ総索引-2 こちらへ

                          溜め息 改・ブログ総索引-3 こちらへ  

                          溜め息 改・ブログ総索引-4 こちらへ