セメント醗酵槽 解説 | ろくでなしチャンのブログ

セメント醗酵槽 解説

              それとなく 8 セメント醗酵槽

 

 

 葡萄を醗酵させるためには入れ物が必要となります。

当然のことながら全収穫量に見合う容器が必要となるわけです。木桶や樽やタンクとなるようですが、樽は白ワインに多く使われているようです。

 

 醗酵には、大容量に対応するために、木製、セメント製、ステンレス製のタンク使用が一般的のようです。

 木製のタンクは繋ぎ目に黴が発生しやすく、乾燥すると隙間が生ずるので管理が大変です。

 セメント製は価格が安い(1haあたり5000円位)のですが、手入れが大変です。

 一番衛生管理がしやすいのがステンレスタンクなので、1970年代あたりから有名シャトーが導入し始め他のシャトーも追随したようです。ところが、2000年あたりからセメントタンク(多孔質セメント)への回帰が始まったようです。シャトー・ペトリュスやシュヴァルブランなどがその例です。


ぶどう一般的には、フレッシュさを求めるならステンレスタンクを。

ぶどう骨格と余韻を求め、よりニューアンスに富んだワインにはオーク槽を。

ぶどうまろやかな風味を求めるならセメントタンクをといったようです。

 

 セメントタンクは清掃が大変で醗酵中の細かな温度管理が難しいという弱点があるのですが、温度管理機能付きのタンクにより弱点の1つが解消されたようです。

 もっともステンレスタンクの殆どがコンピューター制御の温度管理機能を備えているようですが、こと保温性についてはセメントタンクが優位のようです。

 このセメントタンクは内側をホーロー挽きにする、タイル張りにする、エポキシ樹脂で加工する、ガラスコーティングするといった手法がとられているようですが、すぐに酒石がこびりつき簡単に液漏れを起こすことはないようです。

 セメントタンクの内側が酒石でピカピカ光っている醗酵槽の写真をみたことがあります。

 セメントタンクの優位点について、葡萄の香味を残す、より深みのある味わいがでる、タンニンが滑らかで上質なワインができる等言われているようですが、実際の醗酵に際しては葡萄果実の状態によりロット毎に醗酵槽を変えることも行われているようです。

 

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