CH セルタン・ド・メイ詳解 その1 | ろくでなしチャンのブログ

CH セルタン・ド・メイ詳解 その1

ぶどう シャトー・セルタン・ド・メイ その1 

         Chateau Certan de May  

                                                   AOC Pomerol

 

~セルタンは地名、メイは創業者家名

   セルタンはポルトガル語に起因するフランス古語で「砂漠」の意。

   もともと税金も掛けられない作物の取れない砂漠の様な土地の

   意味と思われます。

 

セカンド     クロワ・ド・セルタン

                  Croix de Certan    

 

畑 面 積    5.5ha

年間生産量   2万4千本

隣 接 畑    ヴィユー・シャトー・セルタン、ペトリュス    

オーナー     オデット・バロー・バダール(1924年バダール家取得)

監   督     ジャン=クロード・ベルーエ(2013年就任)

作付割合      メルロー70% カベフラ25% カベソー 5%

平均樹齢     40年

植栽密度     5,500本/ha

収   量     40hl/ha

タ ン ク     ステンレスタンク

発   酵     18日から35日間、マセレーション1ケ月  

新樽比率     60%~80%  

樽 熟 成     12ケ月から14ケ月

コラージュ     す る。

濾   過      不 明。

特   徴     リッチで凝縮感あり。

香    り     ハーブ、バニラ、スパイス、ピーマン、西洋スギ、

           タバコ、チェリー、レッドカラント、    

飲み頃の続く期間/ 収穫後6年から20年

 

ピコピコハンマー 飲む時期、予想される成熟度、デカンティング‎時間

 シャトー・セルタン・ド・メイは、良いヴィンテージで少なくとも8〜10年の熟成ではるかに優れています。若いヴィンテージは1~2時間以上のデカンティングがお勧めです。これにより、ワインが柔らかくなり、香りが開きます。

 古いヴィンテージは、沈殿物を取り除くのに十分なデカンテーションをほとんど必要としないでしょう。シャトー・セルタン・ド・メイは最高のお酒を提供し、ヴィンテージ後10年〜25年の間に成熟のピークに達するはずです。

                          出典 The Wine Cellar Insider 

赤ワイン スタイルと個性

 セルタン・ド・メイは hit-or-miss のプロパティです。最高のヴィンテージでは、熟したベリー、トリュフ、モカ、スパイス、プラム、タバコのノートがたっぷりと、豊かな食感でエレガントで、少し華やかなワインです。ふっくらとしたシルキーな質感の仕上げは快楽主義的な御馳走です。ワインには熟成と進化の能力もあります。

ただし、一部のヴィンテージでは、セルタン・ド・メイは集中力に欠け、 light sideになる可能性があります。1985年から2008年頃まで精彩を欠いた期間の後、2009年のCertan de Mayは品質への新たなコミットメントを示しました。

                           出典 The Wine Cellar Insider 

赤ワイン マリアージュ

 ~シャトーセルタンドメイは、子牛肉、豚肉、牛肉、子羊肉、鴨肉、狩猟肉、ローストチキン、ロースト、蒸し煮、グリル料理など、あらゆる種類の古典的な肉料理に最適です。 出典 The Wine Cellar Insider 

 

☆1976年以降品質向上 ▲1990年代に草っぽく、凝縮感を欠く。

アッサンブラージュ

 2015年 メルロー80% カベフラ16% カベソー 4%

 2016年 メルロー65% カベフラ31% カベソー 4%

 2017年 メルロー60% カベフラ35% カベソー 5%

 2018年 メルロー70% カベフラ25% カベソー 5%

 2019年 メルロー65% カベフラ30% カベソー 5%

 2020年 メルロー65% カベフラ25% カベソー10%

 2021年 メルロー60% カベフラ30% カベソー10%

 

      

ピコピコハンマー 評 価 ボルドー第4版より 重要なヴィンテージ+補記

 

○ 1979年 PP90

 一般的に評価されていないヴィンテージにおける輝かしいセルタン・ド・メイの1979年は、いまだに比較的若々しい外観をしている(濃い、縁いっぱいまでの暗いプラム/ルビー色をしており、縁はほんの少し薄くなってきているだけだ)。トリュフ、バーベキュー・スパイス、土、ブラックチェリー/カラントの果実の甘いノーズがある。ミディアムからフルボディで、酸は良好、タンニンはほどほど。驚くほど余韻の長い、層をなすフィニッシュを持つ。非常に強い、精力的な、筋肉質のこのワインは、何年もの余命がある。最終試飲2002年5月  予想される飲み頃 ダウン

 

○ 1981年 PP89

 未だに濃いルビー色をしているが、いくらか紫色のニューアンスも見られる。この骨太のセルタン・ド・メイは、これほどエレガントな、より軽量級のワインを生産しているヴィンテージとしては殆ど異例なワインの様である。甘草、乾燥ハーブ、赤系果実や黒系果実、スパイスの趣があり、今のところ、ミディアムボディの、比較的精力の強い味わいが続き、深みや強烈さもたっぷり。 

 予想される飲み頃 2013年まで ダウン


○ 1982年 PP98 Robert Parker Wine Advocate ♯129 June 2000

 まだ若々しいが、角を曲がり、閉鎖状態から現れつつある。濁った、緻密な、不透明なガーネット色は、ローストハーブ、燻製肉、杉、プルーン、黒いサクランボと黒のカラントの壮大な芳香族が続きます。濃く、力強く、フルボディで、厚く、無秩序な食感、かなりの脂肪とグリセリン、そしてまばゆい濃度。Certan de Mayは、1949年、1948年、1947年、1945年以来、このような強度、厚さ、熟成の可能性を持つワインを生産していません。それはアクセス可能ですが、成熟と間違えないでください。現代の古典であり、間違いなく私が今まで味わった中で最高級のセルタン・ド・メイです。 予想される飲み頃 2005年から2036年 sei 

 

○ 1982年 PP92

 非常に濃厚で、筋肉質で力強く、リッチで、飲み頃の点では丁度曲がり角を迎えたところだ。このヴィンテージの右岸のワインとしては最も内向的なものの一つで、どうやら未だに相当な向上力を持っている様である。濃い、くすんだガーネット色をしており、縁は薄くなってきていない。非常に複雑なノーズはトリュフ、燻製肉、甘草、ブラックカラント、プラム、ほのかなプルーンを思わせる。口に含むと、フルボディで、極めて筋肉質、タンニンのレベルは高く、非常に引き締まった酸の基盤があり、濃厚な、非常に噛みごたえのある中間部やフィニッシュをしている。どうやら未だに脱ぎ捨てるべきタンニンがたっぷりの様だが、22歳のワインとしてはもっと成長して甘くなっているだろうと予想していた。間違いなく印象的なほど素質のある、エンジン全開の作品だが、この年の他の多くの最高の継ぎ目のない、心動かされるものにはなるのだろうか。最終試飲2002年10月 

 予想される飲み頃 2020年+まで ダウン

 

○ 1982年 PP93 Robert Parker Wine Advocate ♯182 Apr 2009

  ‎フルボトルは、杉、森の床、甘いジャミープラム、ブラックカラント、甘草、タバコの葉のノートと一緒に密な梅/紫色を示しました。高いタンニンだけでなく、素朴な、大規模な口当たりと仕上げとフルボディと強力。

‎ 予想される飲み頃 2015年から2030年+ sei

 

○ 1983年 PP85

 ばらけてきており、加速度的なペースで果実味を失いつつある。中程度のガーネット色をしており、ミント、タラゴン、甘草、スイートチェリーの趣が見られるほか、背景にはややいらいらさせられる、湿った、マッシュルームの様な、土っぽい特徴も感じられる。口に含むと、ちぐはぐで、ミディアムボディで、いくらか甘い果実味も見られるが、フィニッシュはどんどんやつれた/干からびたものになってきている。飲みきること。最終試飲2002年10月 予想される飲み頃 2002年まで ダウン

 

○ 1985年 PP92

 完全な飲み頃になっているおてんばなワインで、新品の鞍革、燻したハーブ、ブラックカラントやチェリー、甘い甘草、溶けたアスファルト、ほのかなトリュフの非常に複雑な香りがある。肉付きが良く、汁気が多く、美味しく、完全な飲み頃になっている。暗いガーネット色をしたこのワインは、ミディアムボディで、素晴らしい甘味があり、非常に精力的な、余韻の長い、肉付きの良いフィニッシュもある。絹の様な舌触りをした、美味しいワイン。 予想される飲み頃 2010年まで ダウン

 

○ 1986年 PP89

 秀逸な、殆ど傑出した1986年のセルタン・ド・メイは、暗いガーネット色をしており、縁はいくらか薄くなってきている。燻したハーブ、湿った土、トリュフ、甘草、ヒッコリーのバーベキュースパイス、スイートチェリーやカラントのノーズは、非常に複雑。口に含むと、ミディアムボディのワインで、完全な飲み頃は近いが、未だに私の好み以上の生硬さが残っている。タンニンもあるし、多分完全にまとまる事は決してないはずだが、複雑な香りや殆どメドックのような出来は印象的。今でも近寄れるが、それでも完全な飲み頃に達するまであと数年必要だ。最終試飲2002年3月 予想される飲み頃 2015年まで ダウン

 

○ 1988年 PP92

 1990年や1989年と比べると相当に喝采されなかったヴィンテージだが、セルタン・ド・メイは続く2年よりはるかに良好な、より凝縮感のある完全なワインを生産した。未だに濃いガーネット/ルビー/紫色をしており、琥珀色は全く見られず、香りはトリュフ、甘草、コンポスト、西洋杉、ブラックカラント、チェリーの趣を思わせる。非常に凝縮感のある、力強い、筋肉質な、今も若々しいワインで、良好な酸が下地にあり、タンニンは硬い。フルボディの、凝縮した感触もある。引き締まった感じはするが、渋みは全くない。確実にこのヴィンテージで最も成功したワインだ。最終試飲2002年10月  予想される飲み頃 2016年まで ダウン

 

○ 1989年 PP89

 本質的に潜在能力としては卓越したヴィンテージの最高のシャトーに期待される偉大な凝縮感に欠けている。草っぽいノーズと混ざり合ったほのかなタブナ―ド、西洋杉、新樽、スパイス箱、赤系果実や黒系果実は確かに複雑でそそられるし、口に含むと、このミディアムボディのワインはどうやら完全な熟成が近い様なのだが、やや辛口の、渋い、タニックなフィニッシュは別だ。この先肉付きが良くなったり芳醇さが深まる事はないと思うので、向こう10年から12で飲むよう提案したい。色は未だに実に暗いが、縁には琥珀色がたっぷりだ。また、赤系果実、主にチェリーの甘さと混ざり合った西洋杉、フルーツケーキ、独特な草っぽさのお陰で、魅力的な、ただし、いささかプロヴァンスの様な香りの特徴がある。ミディアムボディで、前線には甘さがたっぷりだか、その後はいささかやつれ、フィニッシュには辛口のタンニンが蹴りこんでくる。 予想される飲み頃 2009年まで ダウン

 

○ 1990年 PP88

 非常に成長の早いヴィテージである。当初からいささか締りのないワインだったが、今では暗いガーネット色の縁に相当な琥珀色が見られ、香りはプロヴァンスの野外市場に加えて、クレームドカシスを思わせるようになっている。広がりがあり、酸は弱く、優良なワインだが、とうてい霊感が感じられるレベルの凝縮感や深みがあるとは言えない。タンニンはフランス人が言うところのフォンデュ(溶けた)だ。これ以上良くなりそうにない。これ程名高いヴィンテージなのだから、もっと偉大な凝縮感や強烈さを期待していたものだが。

 予想される飲み頃 2008年まで ダウン

 

○ 1994年 PP87

 暗いルビー/紫色をしており、ローストしたピーナツ、ハーブを思わせる。ブラックチェリー、カラントの様な香りのするセルタン・ド・メイの隠そうとしても隠しきれないノーズがある。肉付きの良い、目の開いた1983年を偲ばせるワインで、ほど良いタンニンがあるが、驚くほど外向的で、やわらかく、舌触りが魅力的だ。ただし、このワインを楽しむには強い草っぽさを我慢する必要がある。

 予想される飲み頃 2009年まで ダウン

 

○ 1995年 PP90+

印象的であり、濃いルビー/紫色をしており、ブラックオリーブ、西洋杉、ラズベリー、チェリーの果実と混ざり合った、香ばしい新樽のほどほどに強いノーズがある。口に含むと、新樽が目立つし、突出したレベルのタンニンもそうなのだが、攻撃的なバニラの風味や力強いタンニンがあるとはいえ、深みは傑出しているし、層をなす、凝縮感のあるスタイルにはかなりの筋肉や力強さも感じられる。大柄で内向的な、恐ろしく素質のあるワインだ。2000年と並んで、1988年以降にこのシャトーが造った最上のワインと判明するかもしれない。ただし、何が何でも忍耐が必要だ。最終試飲2001年11月 予想される飲み頃 2020年まで ダウン

○ 1996年 PP87

 強烈にアロマの強い、西洋杉の様な、乾燥ハーブ、ブラックチェリーの香りのするノーズが見られるが、表面の粗いタンニンのレベルが厄介だ。良く出来ているが、舌触りはざらつくし、ミディアムボディで、角のある、垢ぬけない個性のタンニンがある。 予想される飲み頃 2015年まで  ダウン

○ 1997年 PP86

 香ばしいオークや土壌/土の様な気配が競い合ってティスターの注目を引こうとしている。タニックな、ミディアムボディの作品だ。ハーブの色合いがあるブラックチェリーの果実やスパイシーな特徴を持つ。 予想される飲み頃 2007年まで ダウン

○ 1998年 PP86

 本質的に中程度のルビー/ガーネット色をした、やせた作品で、凝縮感に欠けている。ハーブ、鞍革、スパイス箱、レッドカラント、チェリーの趣は見られるが、2000年や1995年、1988年、1985年、1982年、1981年、1979年の卓越したセルタン・ド・メイに慣れた読者諸氏ならがっかりさせられるはずである。

 予想される飲み頃 2010年まで ダウン

 

○ 1999年 PP87

 セクシーで、軽量級。煙草、ハーブ、バルサムの樹、チェリーなど各種取り揃えられた黒系果実の香りがある。軽いが、風味豊かで、近づきやすく、まろやか。

 予想される飲み頃 2012年まで ダウン

 

 

シャトー・セルタン・ド・メイ詳解 1979年~1999年 その1 詳解はこちら

シャトー・セルタン・ド・メイ詳解 2000年~2009年 その2 詳解はこちら

シャトー・セルタン・ド・メイ詳解 2010年~       その3 詳解はこちら

 

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