低温マセラシオン  | ろくでなしチャンのブログ

低温マセラシオン 

        それとなく 2 低温マセラシオン

 

 ワイン本を読んでいたら、何も判っていないことに気付き(遅すぎるだろーピコピコハンマー)取り敢えずワインの造り方について、まとめてみることに(ボルドーについて)。

 

第1弾はマセラシオン。


 ブルゴーニュにおいて力強いワインを造るには高めの温度で発酵させ、その後、高温のまま果皮と種子をワインの中に漬けこんで、果皮成分を抽出する方法が一般的でした。しかし、この方法は若いうちは飲みにくく、せっかくの果実風味が高温なるが故、失うと言う欠点が指摘されていました。

 

 そこで、発酵槽に入れた葡萄を8℃から12℃位の低温で数日間から2週間程度漬けこんでおくと、果皮から十分に香りと色の成分が溶け出し、その後に発酵を開始する方法が確立していきました。

 

 この方法(漬けこみ・浸漬~シンセキ)を英語アメリカでは、マセレーション。フランス語フランス国旗ではMace´ration(マセラシオン)、日本日本代表で言うところの醸し(かもし)となり、低温で行うことから低温マセラシオン(マセラシオン・ア・フォア)と呼んでいます。


 もともと、ブルゴーニュで発見された方法とする説と、ボルドーにおいても収穫時期の気温が低い年にはなかなか発酵が始まらず、結果的にワインの香りが強くエレガントで色も濃く、色素も熟成期間中に薄れることがなく、タンニンもソフトソフトクリームになるとの認識はあった様ですので、ブルゴーニュ発祥ではないとの説も。


 いずれにせよ、ボルドーにおいても(ポムロールやサンテミリオンに多いような。)、低温マセレーションが普及してきているようです。

 

 基本的には、破砕した葡萄を発酵槽に入れることになるのですが、一部のシャトーでは破砕しない葡萄果を発酵槽に入れる、葡萄を房のまま発酵槽に入れる。果梗(葡萄の軸)の一部を発酵槽に入れる等々様々な手法があるようです。一般的には、(未成熟な)果梗はえぐみや不快な味を生む原因の一つとされ、発酵槽に入れないことが多いようです。


 低温に関し、その度合いについては4度から7℃とする解説もありますが、具体的温度は各シャトーで異なるようです。要するに発酵が始まる温度以下となるのでしょう。赤ワインの場合は、果皮から色素(アントシアニン色素~ポリフェノールの一種)やタンニンの抽出が低温では抽出しにくいため20度以上で発酵させるようです。

 昨今の発酵槽は温度管理が出来るようになっております。古くは電気を利用した発熱体を発酵槽に入れるとか、今は管の中に温水や冷水が通るといった手法や、発酵槽を2重として、温度管理を行っているようです。

 

 マセラシオンは、赤ワインの場合、果皮や種といった個形成分を含んだままアルコール発酵を行い、色やタンニンの抽出を目的として行います。また、白ワインに多いようですが、短期間の浸漬としてマセラシオン・リミテ(英語でスキン・コンタクト)という手法もあるようです。また、ボージョレ・ヌーボー等はマセラシオン・カルボニックといった別な手法もあります。

 

 要は漬けこみがマセラシオンで、低温だと低温マセラシオンと言い、果皮、果肉、種子等の断片からタンニン、アントシアニン等ポリフェノール成分やワインの風味を構成する成分を果汁やワイン中に溶解させることらしい。 

 

                           溜め息  改・ブログ総索引-1 こちらへ

                          溜め息 改・ブログ総索引-2 こちらへ

                          溜め息 改・ブログ総索引-3 こちらへ  

                          溜め息 改・ブログ総索引-4 こちらへ