映画監督シドニー・ルメット(Sidney Lumet)が、4月9日に亡くなりました。86歳でした。
彼は、1957年の「十二人の怒れる男(12 Angry Man)」で鮮烈なデビューを飾って以来、たくさんの良質な作品を作り続けました。
残念ながらアカデミー賞には縁がありませんでした(名誉賞は受賞していますが。)が、その作風は「社会派」と呼ばれて社会の暗部に鋭くメスを入れた作品で高い評価を得ました。
私が映画に興味を持ち出した70年代には意欲作を次々に発表して、彼の名前は私の頭にきっちりと刷り込まれたのでした。
1971年「ショーン・コネリー/盗聴作戦(The Anderson Tapes)」
1973年「セルピコ(Serpico)」
1974年「オリエント急行殺人事件(Murder On The Orient Express)」
1975年「狼たちの午後(Dog Day Afternoon)」
1976年「ネットワーク(Network)」
1978年「ウィズ(The Wiz)」
などなど、当時の話題作ばかりです。
私にとっては、それぞれにレヴューを書けるほど思い入れのある作品ばかりです。
ただ、メジャーな作品ばかりでたくさんのレヴューが存在しますので、ここでは割愛します。
ただ、シドニーはかなり音楽にこだわった監督だったようですので、その点に絞って私なりの見解を書き留めておきたいと思います。
余計な劇伴は必要ないということで、全く音楽のない「狼たちの午後」も鮮烈に記憶に残っています。
「ショーン・コネリー/盗聴作戦」は、当時映画に接近していたクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)に、音楽を託しています。
スタイリッシュな映像にスリリングな音楽がぴったりで、私のお気に入りです。
クインシー自身にとっても自信作のようで、リーダー・アルバム「Smackwater Jack」にもセルフ・リメイクで収録しています。
「オリエント急行殺人事件」については以前に記事にしていますので、そちらをご覧ください。
私が大好きな、テーマ曲を聴いてください。
これは、映画音楽史上に残る名曲だと思っています。
シドニーの手腕が垣間見える、列車の出発シーンをご覧ください。
ここで流れるワルツも、この雰囲気にぴったりで印象的です。
順風満帆のシドニーが、初めて酷評された作品が1978年の大作「ウィズ」でした。
この音楽については、8年前にホームページに記事を書いています。
思い入れの強いこの作品については、その記事を改変して次回に紹介します。
シドニー・ルメット監督のおかげで、私の音楽の幅もぐんと広がりました。
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