「懐食みちば」(☆☆)
http://www.kaishoku-michiba.jp/
銀座にあるプリフィクスを打ち出した和食の鉄人道場六三郎氏
の店。
店の作りも料理の味も、もちろん価格も銀座レベル。
そつなく使える優良店です。
住所:中央区銀座6-9-9かねまつビル8F
電話:03-5537-6300
定休:月曜
営業:11時半~15時半(土日祝~16時半)/17時~23時(日祝~22時)
ビルの8階。エレベーターを降りるとすぐそこはお店です。
薄暗い照明。中央にメインダイニングに続く通路。向かって右の壁にシンプルな店名のプレートが掲げられています。両側には紺色ののれんが掛かり、左はトイレに、右はバースペースとそこに面した仔牛の個室があります。
さらに奥に行くと寿司のカウンターらしきものが見えました。和食の店らしいですね。
個室はちょっとした鳥かごのようなスペース。ガラガラと開く格子の前面。上はドーム状に網が張られ、和紙を貼った四角い照明が吊り下げられています。
テーブルの上には箸とナプキン、本日のメニューの書かれた和紙。道場六三郎氏の名前と実際この店を切り回しているであろう森川保氏の連名。
10年9月30日夜の来訪。
本日は同期と夕食。突然決まったが、店のチョイスは彼に任せた。
するとこちらになりました。2000年オープンの道場六三郎氏
の店。「銀座ろくさん亭」には2000年の親父の退院祝いか何かで飯を食った記憶があるけど、こちらは初めて。
ゆずジュース 800円
みちばオリジナルジュースから。模様の入ったグラスに高知県の柚子のジュース。酸味が強いけどそのまま甘みが味わえて美味しい。
生姜ジュース 850円
生姜の辛味がありますが、柑橘系の飲み物がベースにありそうなジュースでした。生姜だけだとしたらすごい。
ジンジャーエール 600円
ライムを入れていただく。
懐コース 12600円
七種肴)ぶどう唐揚 床節磯焼 もろこしサクサクおくら入り 海老神楽 チーズ黄金焼 犀川鮴山椒煮 干帆立アンチョビソース
八寸というよりもヌーベルシノワのひと皿のようです。説明があった順に食べました。
まずは干帆立。1週間かけて干して戻したものだとのこと。上にはクリームチーズのようなアンチョビソースに刻んだパプリカ。
チーズ黄金焼はクリームチーズを酒粕と西京味噌につけた後に焼いたもの。まったりクリーミーです。
もろこしサクサクおくら入りはカダイフで包んで揚げたもの。中にはコーンとオクラでした。
海老神楽は酢飯の上に芝海老で小さなお寿司のよう
ぶどう唐揚はなんと皮付きです。表面はカラリと揚がっていますので皮はまったく気になりません。中の葡萄が甘い!
床節磯焼はそのまま肝までついたトコブシです。小さな鮑のようなトコブシは美味。
中央にあるのは犀川鮴山椒煮。石川県でよく食べたゴリは意外に軟らかく煮られ、木の芽の山椒の香りも美味しいひと品に。
加賀名物)蓮根擂り流し 雲丹、緑茶白玉、順才
黒い塗りの碗で。金沢らしく金をあしらっています
中は白い蓮根のすり流し。プリッとしたジュンサイが浮いています。
中央には緑茶風味の白玉で、中には雲丹が入っていました。上には姫葱です。
文明開化(焼))ストーブ釜 牛一式とまと焼 茄子・ズッキーニ・こんにゃく
小さな黒いストウブの釜に。
中には牛筋の煮込み。トロリとしたゼラチン質の部分とお肉の部分。血管まで見える断面はどうやって切っているのだろう? これに同じような大きさのこんにゃく、茄子とズッキーニがそれぞれ。
たっぷりのトマトソースにとろけるチーズです。和食でこれは面白いサプライズ。
食感は変わっていて良いのですが、雲丹に火が入ってパサついた感じがもうひとつかも。生雲丹を上にのせておいた方が正解だったような気がします。
夕涼み(刺))鱧湯引・初鯛・志免太刀魚 あしらい色々 梅肉・割正油
四角く大きな盆に氷を敷き詰め、皿にガラス皿に氷を盛って刺身を盛りつけています。
鱧、鯛、そして太刀魚です。ワサビに酢橘が添えられています。
緑色の小皿には甘くてまろやかな酸味の梅肉ソース。醤油も別皿に。
ところで、気になったのはこの太刀魚の所での接客。品書きの字がなんだか読めなかったので、太刀魚の上は何かと聞いたところ、「(六三郎の)親父からは…」といわれて「当て字なので、これは読まない」といわれました。「志免太刀魚とかいてたちうお」なのだと。
ネット上では「しめ太刀魚」とありましたので、辞書を引くと「志免」とありました。そういえば、味的にこの太刀魚、昆布締めだったのです。適当に水分が抜けて昆布の旨味もついて美味しかった。
適当なこと言われたのだとわかると、ちょっと残念です。自分もわからなければ聞きに行けばよいのに。
里帰り(煮))ぐじ 生湯葉蒸し わさび餡
甘鯛の切り身に生湯葉をのせておろしたてのワサビを添えた蒸し物。
醤油餡が底にあります。
甘鯛はしっとりとしていて臭みもなく美味しい。
主菜)和牛炙り
プリフィクスですので骨まで愛して 恵保唐揚、活魚料理、和牛炙り、和牛ローストビーフ、鱶ひれ茶碗などからの選択。
ぼくが選んだのはこの和牛炙り。
炙りとありますが、大きな陶器の鍋い目の前で水を注いでもうもうと蒸気が上がりました。中には焼き石で、網をしいて料理がのっています。
玉葱にシメジ、水菜。牛肉はサーロイン。炙った後に蒸すことで温かい。肉質はさすが。刺しが十分に入ったもので、塩胡椒は最初からしてあり、それだけで美味しい。
つけるのはポン酢におろし大根と刻んだ万能ネギ、ごまだれの2種類。
ちなみに同期の食べた活魚料理はあら煮でしたか。道場はこの料理に関しては日本一だと言われましたが味見した限り普通でした。
他にも写真だけですが骨まで愛して恵保唐揚も。エボダイの唐揚げ。骨は2度上げして、全部を食べることができるとのこと。
豊穣)すっぽん雑炊
これもプリフィクスで、松茸ごはん、汁焼茄子、すっぽん雑炊、糠鯖茶漬、冷し梅素麺、麺類色々などからの選択。
スッポン雑炊はとろとろの卵で閉じた雑炊で地味な感じの味。塩梅的に好みではないかな。スッポンの肉もちょこっと。
松茸御飯の方はけちらずにざく切りの松茸で好印象です。なめこの赤出汁つき。
糠鯖茶漬は食べていませんが紫蘇がたっぷり。3年ものだという糠鯖は匂いもさすがの3年ものだったそうです。
嫁に食わすな)水茄子
大きな竹のような器に氷を盛って水茄子を盛りつけています。
浅漬けにしてある厚切りの水茄子はザックリして美味しい。
小さい秋見つけた)夏柑釜季節フルーツ レモンジュレ
夏柑の皮を切て取っ手に見立て器にした。中にはフルーツにさっぱりしたレモンのジュレ。
和食のデザートも進化したものだなぁ。
最後に緑茶です。