「シェ・ケンタロウ」(☆☆)
http://chezkentaro.com/
横浜発 驢馬人の美食な日々-chezkentaro
 

 大船にこの店ができたのが驚きなほどに良いフレンチのお店。

 充実した美味しさのフレンチがゆったりとテーブルでも、一人でカウンターでもいただけるため、すでに連日満席なのも頷けます。

 昼はランチコースだけなので、夜にもうかがってみたいと思わせてくれました。
 
住所:鎌倉市大船1-12-18 3F
電話:0467-46-6214
定休:火曜・第3水曜
営業:11時半~14時半
 
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 「ブーランジェリー・パティスリー カルヴァ」の右の入り口を入り、エレベーターで3階まで上がったところ。落ち着いた色合いの扉には金の枠でガラスがはまっています。その上に店名のプレート。
 中に入るとビルの形なりに奥へと細長いお店。側面に扉がありますので左右に長い形になります。通り側までは落ち着いたダイニング。フレンチでも大変にぎやかなのは大船と言う土地柄でしょうか。
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 13時でテーブル席は開いておらず、カウンターに座りました。カウンターは入って右側の厨房の際。一人客はこちらの方が楽しくてよいです。
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 カウンターの上には茶色の編みこんだランチョンマットと赤いクロバーがワンポイントで刺繍された白いナプキンです。


09年9月30日昼の来訪。

 昼食は一人でこちらに伺う。iPhoneを買うためヤマダ電機に車を停めたが担当不在で昼食を先に取ることにした。電話すると、カウンターならOKとのことでした。
 
ウーロン茶 500円
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 フレンチのお店でいつも思うのはワインは重視されているけど、ソフトドリンクが充実しているところはそれほどないし、こだわりも感じられないという点。別にこの店に限ってのことではないけど、これだけ良い店でもソフトドリンクは手ごろで簡単に出せるものしかない。ということでこれを。
 たとえば、ジンジャーエールにしてもウィルキンソンの辛いジンジャーエールと石垣島のジンジャーエールの2種類揃えるだけで、アルコールが飲めないぼくら下戸としては感心してしまう。いっそのこと、ソフトドリンクを充実させたリストを作ってここでアップしてみようか…。
 
MenuB 2800円
 ランチメニューはコースのみで、各料理がすべて決まっています。どこまで食べるかでコースと価格が変わるのみ。
 こちらは真ん中の前菜・スープ・魚又は肉料理・デザート・飲み物のコース。Aは2200円で前菜かスープになって一皿減り、Cは肉と魚の両方が食べられます。
 
タスマニア産サーモンのマリネ サラダ仕立て
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 タスマニア産サーモンのマリネです。しっとりしていて味がよい。最後に気が付きましたがマリネしたときのものか山葵みたいなペーストがついていました。
 サラダ仕立てなので下にはほうれん草やレタスに赤玉葱。上にはラディッシュのスライス、横にはプチトマトも赤と黄で添えられています。スプラウトの他にフェンネルも添えられ、バルサミコとオリーブオイルを振りかけてあります。
 香りが鮮烈で輪郭が明瞭な一皿。もちろん、好印象です。
 
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 ここでパンの登場ミルク珈琲色の布に白ゴマと芥子の実をつけたパンに、外側がカリッと焼かれたバゲット。どちらも単体で美味しいものです。ただし、ソースをすくうにはどちらも香りが強いためソースを味わう邪魔になってしまったのが残念。バゲットはもう少し香り弱めでも良いかも。
 
三浦カボチャのポタージュ
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 表面を泡が覆うポタージュスープ。鮮やかな黄色とミルクの白が美しい。
 これがまたとってもリッチな味わい。カボチャの味わいも上品で美味しい。
 パセリが振ってあります。
 
ムサカ(仔羊肉とナスの重ね焼き)
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 肉料理を選択しました。
 STAUBの四角く平たいお皿にオーブンで焼かれて熱々の状態で供されます。
 上にはスライスされたトマトと溶き玉子です。この中にはスライスして並べてあるとろけるようなナスに仔羊肉の挽肉のソース。羊の臭みを消すためかカレー粉の香りがするソースはとても美味しい。「ルッチョラ」のカポナータのようにシナッと漬け込まれた赤パプリカの刻んだものも入っています。
 熱々の料理は大好きです。子供向けではないけど、これも美味しかった。
 
デザート3種盛り合わせ
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 苺のソルベ、リンゴとくるみのパイ、柑橘類のゼリー。
 左の大きなスプーンにまったりした口当たりの苺のソルベ。ずれないようにするためか底に少し甘いクッキーのような小片が散りばめられています。食感には余り影響はありませんでした。
 中央はメダリオンのようなサクサクの薄いパイ生地の上にリンゴとくるみです。パウダーシュガーが振られています。
 右は変わっていますが、密封できるガラスの容器にオレンジの果肉とハーブの香りのするゼリーでした。
 
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 最後は珈琲か紅茶を。珈琲を選択しました。
 フレンチらしい珈琲。次は紅茶にしよう。
 小菓子も出していただけましたオレンジ風味のミルクムースがチョコレート色のスポンジの上に乗り、シナモンがちょいと添えてあったようです。もちろん、一口でなくなります(笑)。
 
 この店で凄いなと思ったのはお皿ごとにきちんと食器をかえてくれることです。ランチの価格でこれをしてくれるとは。
 トイレも男女別で、ビルが新しいだけにきれいで最新の良いものでした。
 ケチらず良いものを用意するがシェフの信条なのかも。これは人気が出て当たり前です。総評は☆☆(二つ星)です。
 

 

10年4月3日夜に一人で再訪。

 17時40分にダメもとで電話すると入れました。
 18時ちょいの到着。先日昼に満席では入れなかったのをお店の方が憶えてくれていました。
 
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 先客は子連れで、窓際の見えない席に座っていた方々のみ。その後は続々お客が入ってきました。
 テーブルの上には銀色の編んだマット。白いナプキンにはクローバーの刺繍がしてあります。
 
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 アミューズはフランス、バイヨンヌ産の生ハム。
 塩気がしっかりしていて熟成もすばらしく美味しい。オリーブオイルを振りかけてあります。
 上には小さなクレソン。
 
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 パンはやはり「カルヴァ」のもの。籠での提供。
 2種類あって、ひとつは香ばしいしっとり目のパンで干し葡萄のような香り。充実した旨さがあります。
 もう一つはバゲットで、バリッとした香ばしい皮の食感に中はもっちりした味わい。相変わらず美味しい。
 

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 飲み物はやはり烏龍茶になってしまいます。

 
プリフィックスメニュー 5000円
 4月からプリフィクス…というのは「ルッチョラ」と偶然にも同じ。
 これがアラカルトでも注文できるシステムです。ぼくはこういうのが好きですね。
 
地野菜のテリーヌ Terrine de legumes
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 最高に上質で芸術的なテリーヌ。鎌倉と三浦の旬の野菜です。
 サツマイモ、紫色の大根、インゲン、ズッキーニ、赤と黄色のパプリカ、紫色の皮の大根、ニンジン、椎茸、ほうれん草、ブロッコリーをコンソメを使った様なゼラチンを最小限使ってまとめキャベツで巻いてあります。いつもながらザリッと小気味良い塩の加減が良い。
 ソースは醤油とニンニク、エシャロットのソース。
 ほうれん草などの葉物野菜を添えています。

 
岩手・山形町よりプレミアム短角牛ロース肉のグリエ (+2200円)
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 どうしても食べたくなった短角牛のグリルです。
 シンプルに塩胡椒で焼いた短角牛。オーナーが山形まで行って仕入れてきたそうです。
 切ってありますし、イタリアンで言うところのタリアータですね。
 赤身が旨いという短角牛ですが、脂身も付いています。やはり赤身の美味しい肉は脂身も美味しい!! 赤身には火が入りすぎず絶妙な焼き方と塩加減。素晴らしい!!
 クリーミーで辛味と酸味が穏やかなマスタードがなぜかたっぷり添えられています。
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 これにニンニクを使っているな~とおもう旨味の濃いジャガイモのグラタン、葉物野菜のサラダが別皿でつきます。

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嘉山農園より 完熟イチゴのロティ バジルのアイスクリーム添え Fraises roties au poivre vert et glace au basolic
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 シェフのスペシャリテのデザート。
 バターを使ったパリパリのパイ生地の器に白ワインビネガーとグリーンペッパーを使い軽く茹でたイチゴがたっぷり。外側が熱く中は甘い。
 上にはバジルのアイスが添えてありますが、グリーンペッパーのスパイシーさにバジルの香りが甘いイチゴとこんなにマッチするのは不思議~♪
 
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 珈琲はビターでコクがあり美味しい!!
 プティフールにショコラのマカロン。

 

Chez Kentaro (フレンチ / 大船、富士見町)
★★★★ 4.0