「KEIZO(ケイゾー)」(☆☆)
http://www.keizo110.com/
数年前にテレビでお袋がここに行きたいといった店。ここは箸で食べるフレンチの店。
シェフの井上桂三氏は小田原にあった「ステラ・マリス」で吉野シェフに師事し、「ジョルジュ・ブラン」、「クロコディル」を経て2003年にこの店をオープンさせたそうです。
カウンターで談笑しながら料理するスタイルは「りょうりにん みわ」を思い出させてくれました。
住所:港区西麻布4-4-16
電話:03-5466-4486
定休:水曜
営業:18時~深夜2時
通りから入る小路を数段降りる階段の左にガラス張りで中の見えるお店がありました。
入り口のガラス扉はすりガラスで、中のスタッフが扉を開けるためにまっているのが見えます。
中に入るとお洒落なカウンターが右にずらりとオープンキッチンのように広がっています。ぼくらはそこを通り奥左手にある半個室のテーブル席へ。
フレンチの店ですが、壁の格子模様を見るとどこか和のテイストを感じます。
テーブルの上にはナイフとフォークに加え、京都の市原平兵衛商店 の盛り付け箸。先端のとがり具合と持った時のバランス、物をつまむ時の心地よさからいっぺんにファンになりました。次に京都に行ったときは必ずこの店に行こう…。
07年12月1日夜の来訪。
母のために設定しました。もっとも、行きたいと言っていた当の本人が忘れているくらい間があいていましたが。
飲み物はウーロン茶。
MenuC 10500円
ぼくの注文ではありませんが、たぶんこのメニューです。
アミューズ)
前菜は4点盛り。
左はシャクシャクと美味しい柿にマスカルポーネと豆腐の白和えソースをかけ、砕いた黒胡椒を振っています。ソースの豆腐ははっきり味わいが感じられ、黒胡椒のアクセントも効いています。
左から2番目はミズダコの蟹味噌和え。蟹味噌の風味もよいがミズダコもしっかりと蛸らしい味わいとクニクニした食感でよい。その下にはもう出始めたのか、茹でた菜の花です。上にはスライスしたラディッシュ。
右から2番目の鴨は香りよく仕上げられ、上に苦味が強い蜜柑をのせて姫葱で飾っています。自家製のラー油がちょいとたらされているようです。
右はブランダード。タラのすり身にジャガイモとパセリを混ぜ込んでいます。ジャガイモの香りがよい。上には黒オリーブ。
パンは自家製。この日は3種類でました。プレーン、青海苔、カレーです。
プレーンをはじめ底がカリッとしていて美味しい。
青海苔とカレーはその風味がとてもよく感じられます。
個室であったためと、娘のために皿がわやくちゃになっていたためでしょうが、ぼくにこのカレーのパンが出していただけなかったのは残念。もう少し取り皿が多いといいな…。
蜆の出汁に白味噌を加えたフラン。生クリームや卵も使い、濃厚な旨味に白味噌の香りは極上!
これに吉野葛を使ってとろみをつけたコンソメをかけ、新鮮で甘~い生雲丹をのせ、貝割れで飾っています。混ぜても美味しいので、娘もバクバク食べていました。
前菜2)
白子のフリット。赤ピーマンのソースと春菊のソースで。
フリットはビールを使った衣でふんわり。中の白子はトロリと。上には塩が振ってありました。春菊のソースは口に入れるとそれとわかるほどに春菊の青い香りがしますが、赤ピーマンのソースと混ざり合って白子と面白い風味に。
魚料理)
これも見た目美しい一皿。
メインの甘鯛は鱗を松かさのようにカリカリの煎餅のように立てています。その上にのっているのは赤大根とズッキニ。下にはとろりとした食感に中を仕上げ、表面はカリッと焼いた米ナス、そしてクリーミーな白いゴボウのスープです。
肉料理)
茨城県産のハーブ豚のグリル。脂身も甘く美味しい豚肉は好きです。舞茸を煮込んでポルト酒と赤ワインで仕上げたソース、自家製ラー油の2種類で飾っています。付け合せにはアスパラ、ヤングコーン、ニンジン、ペコロスのグリル。辛味は食欲を刺激するのでラー油をフレンチに使うというのも面白く美味しいですね。
デザート)
洋梨のコンポートをミルクチョコレートのクリームと共に挟んだシュー、イチゴをカスタードクリームと共に挟んだシュー、あんぽ柿を仁で固めたものと、キャラメルのアイスです。ベリーのソースです。
エスプレッソ)
ダブルでいただきました。
メニューにはありますが、小菓子はありませんでした。
娘には子供のプレートです。刻んだニンジン入りのハンバーグ。キノコ入りのデミグラスソース。セルバチコのサラダ、帆立貝のフリットにウスターソース、ミートソースのスパゲッティーニです。
デザートもついていて、カットした洋梨のコンポートにストロベリー、ブルーベリーのソースでしょうか。
味はホタテが美味しかったけど、それ以外はどうかな…って、食べちゃっていますが(笑) やはり旬のものを使った大人のためのコースとは違うので仕方ないかと。
総評は☆☆(二つ星)です。
このお店は結構シェフとお客の話し声が響き渡ります。気取った店ではなく、気に入ったお客と気持ちよい時間を過ごせるようにした店なのでしょう。横浜では「MIWA」を思い出しました。何度も通って、カウンターでシェフと話をしながら食べるときっと自分の居場所が出来ます。