「とび徳」(☆☆)
Tobitoku

 戸塚に名店無し…そう思い込んでいましたが、やはり単に知らないだけでした。
 ここは昭和55年オープンの炭火料理の店。前々から存在は知っていたものの、行く機会がなく行けなかったお店。記録当初は食べログにも不思議と掲載されていない。

 こだわりの店主に焼いていただく肉と野菜は極上です。
 
住所:横浜市戸塚区舞岡町1126
電話:045-824-1735
定休:火曜
営業:12時~14時/17時~21時
 
 お店はしっかりした作りの和の風情薫る一軒家。黒い格子の扉を挟むように白い提灯。そして壁には大八車か何かの車輪が飾られています。
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 入り口入ってすぐに囲炉裏があり、左右に高い天井のダイニング。なんと鎧も飾られていますね。席はすべて炭火焼が出来るような席ばかり。

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 正面には帳場。独特の美意識が働いています。こういう店は好き。
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 食事をいただいたのは右奥にある個室。鉄板焼きのようなもので、開いている空間にそのまま炭火がセットされます。

 

07年9月21日夜の来訪。
 親父と共に訪れています。

 
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 親父が頼んだ日本酒はひょうたん型をしたガラスのとっくりに。ガラスのおちょこまでカキ氷の中に埋められてでてきます。笹を飾っているところが美意識か。
 
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 ウーロン茶を注文しましたが、大きなコップにガンと来ます。これはうれしい。
 
 前菜は2皿。

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 一つは牡蠣を揚げて酢で和えたもの…だったかな? 記録も時間がたつと忘れてしまっています。白髪ネギに糸唐辛子を盛り付けて。

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 もう一皿はとろとろ系のもの。じゅん菜(でよかったか?)とイカの和え物。特別に凝った品ではないのですが、どちらも店主の味覚の確かさを物語る味。
 ううむ、こんなお店が近くにあったとは知らなかったと唸る。
 
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 普通なら茶碗蒸しのところ、本日は松茸とはもの土瓶蒸し。ゴワッとした土瓶に。
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 濃厚な和風だしに松茸、車海老、鱧、銀杏、三つ葉。
 酢橘がのっていますが、店主は柑橘系は1滴で十分なほど香りが強いから、まずはいれずに味をみて、その味を変えたいときにちょっとだけ使うよう言ってきます。

 
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 刺身は美しい青色のガラスの器に。
 脂が適度にのった鮪、ねっとりした口当たりのイカ、プリッとして凝縮された甘みの甘エビ、新鮮で豊潤な香りのウニ。すりおろしたばかりの山葵と、大葉、大根のツマ。
 ところでここで教わったのですが、いつも飾り程度にしか考えていなかった菊の花。お浸しで食べるのは知っていましたが、花びらをちぎって刺身に入れることで爽やかな香りが得られる薬味になることをはじめて知りました。
 
 ここで赤々と燃える炭火が運ばれてきます。その上に金網をのせ、店主自ら焼きに入ります。
 
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 野菜は玉葱、なす、しいたけ、串に刺したネギ、ピーマン。もちろん、炭火で焼かれたシンプルなもの。
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 お肉はフィレとサーロインを半分ずついただく。4人でこの分量。豪快です。火力の強い炭火ならではの厚さとも言えます。
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 フィレは柔らかく赤身の旨味がじっくり味わえる力強いもの。
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 サーロインはより柔らかく刺しが入ったように脂身でほぐれる。これまたレアな焼き加減で良い。
 おろしたての山葵が添えられます。山葵の辛味は脂と合うと感じにくくなるそうです。たしかに甘みすら感じますね~。
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 これらを食べるのに3つの小皿が用意されています。レモン、特製のタレ、そしてボリビアのローズソルトです。特製ダレも野菜ではその真価を発揮しませんでしたが、肉との相性は良いですね~。
 
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 〆は焼きおにぎり。三角形の美しいおにぎりで、醤油ダレにドポンと漬け込んでまた炭火で焼く。表面はカリカリで中はむっちりした醤油も均等にしみこんだ焼きおにぎりはどこで食べたものよりも美味しい。これはさらに発展させられる料理になりえるなぁ。
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 一緒に出されるのは味噌汁…って、お吸い物にしか見えませんけど(笑)。澄んだ味噌汁と言うのは初めて。確かに飲むとほんわり味噌の香り。味噌だまりでも使っているのかな? 具はシンプルにわかめです。

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 ついでに香の物です。
 
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 デザートにはメロン。和食屋さんの定番に思えてきました。適当に熟した良いメロンです。

 次の日に食べたベイシェラトンホテルのデザートもなんとメロンでしたが、その味は雲泥の差です。もちろん、こちらの方が美味しい。
 
 こだわりの店主には少々癖もありますが、この近辺でこの料理であれば十二分に良い味。昼間出している蕎麦にも興味あります。近々家内と娘を連れて再訪必至ですね。

 

08年12月17日昼に再訪。
 本日はのんびり家で過ごす予定。
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 午前中に仕事をちょっとして散髪へ。12時過ぎに帰って、娘と家内を連れて「ビストロ・タッキー」@上永谷に行ってみましたが、表には準備中の看板が。満席だから締め切ったみたいです。
 となるとプラン2でそのまま舞岡を過ぎてこちらへ。
 
 13時で先客は同じスペースには一組。結構広く反対側にもあり、駐車場は満杯でした。
 
とろろうどん 1470円
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 大きな丼に手打ちと思われる粘り越しの強いうどん。表面はつるつるで、中はムチッとしていて美味しいうどんです。ガッツリと中心部は固めの茹で加減。ご主人は1時間そのままでも伸びないといわれておりましたが、さすがに固さは後半違います。最後まで中心部のむっちり感は残っていますから、とてもよい具合ですけど。
 その汁もとても美味しい。関東風の濃いしょうゆ色ではなく、たっぷり使った鰹節の濃い旨みがグイグイ引きずり込んでくれるような味わい。洗練されていないけど、惜しげもなく鰹節を使ったパワー系の汁です。
 添えられているのはわかめ、刻んだ万能葱、それに自然薯のとろろと温泉玉子です。とろろだからゆるいのが来るのかと思っていたらものすごい粘りのとろろがきてびっくりしました。素材へのこだわりはこんなところにも出ているようです。
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 ご主人はご飯も一膳、そばつゆとともに持ってきてくれ、とろろにそばつゆをかけて玉子をのせて食べるとおいしいとサービスしてくれました。本当に美味しいので、娘が一膳食べてしまうほどです…。
 
野菜と海老天うどん 1890円
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 こちらは冷たいほうでいただく。しっかりと腰がありガッツリしたうどん。
 つけるそば汁は家内とぼくのために2つ持ってきてくれたようです。これまた惜しみなく使われただしが色合いより濃い味わいで凄い。
 てんぷらは海老、インゲン、三つ葉、なす、サツマイモ、しめじ、千切りのにんじんです。てんぷらは揚がる具合を見るとまだまだ向上の余地がありそうです。天汁もそばつゆとは違っています。塩も特別な塩のようです。
 薬味は2段かさね。大根おろしとしょうが、ネギとしょうがでした。

 

海老天そば 1680円
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 家内の注文は暖かいこれ。細くしなやかな蕎麦でした。うどんの汁とは色合いが違い濃くみえます。天ぷらは海老2本とサツマイモ。
 冷たいのも食べてみたくなりますが、次回の楽しみに。
 
茶碗蒸し735円
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 しいたけに三つ葉の入る茶碗蒸し。ゆずが添えてあります。娘のために注文。
 
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 食後に娘にはバニラアイスとチョコレートの駄菓子。

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 ぼくらにはコーヒーが。
 
 家内はとても気に入ったようです。
 総評☆☆(二つ星)はかわりませんが、その料理の引き出しを見てみたいです。

 

 

09年4月19日昼にまた再訪。

横浜発 驢馬人の美食な日々-Tobitoku35

 本日は仕事場近くの拘束日にて遠出はせずすぐに帰れる場所を選択。
 舞岡公園で遊ぼうということになったので、昼食はここ。
 13時前で先客二人一組と空いていました。
 
野菜と海老天うどん 1890円
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 うどんはあいかわらずのすごい腰。最初はやや中央に茹で不足を感じるもすぐに気にならなくなりました。薄口醤油を使っているのか、淡い透明な色合いのつゆは昆布だしがすごい。
 つゆがふたつついているのは、入れる薬味によって味が変わるためとのこと。ひとつには生姜、もうひとつには大根おろしでしょうか。そういうこだわりの店ってそうないですよね。
 天麩羅は海老、かぼちゃ、にんじんの掻き揚げ、レンコン、椎茸、インゲン、ナス。椎茸や野菜は野菜の汁がすべて中に閉じ込められていて凄いことになっています(笑)。塩をつけていただくことも、天汁をつけていただくことも選択可能。個人的にはやはり塩が美味しい。

野菜と海老天そば 1890円
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 蕎麦は細めでポックリした口当たり。蕎麦でありながら思い出したのは博多ラーメンでした。これも特徴がしっかりあって美味しい。
 そばつゆはうどんとは違って返しを使ったものです。薬味はわさびがこちらにはあります。

とろろうどん 1470円
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 娘はまたこれです。
 ご飯にとろろをかけていただくのが大好きな娘。今日はお替りをさせていただきました。恐るべき食欲…。
 
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 最後にコーヒーをいただくのですが、置いてある砂糖がかわっていました。
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 粗製糖というサトウキビから最初に絞られた汁で作られた砂糖。崩れ具合に見とれてしまう穏やかな色の砂糖で、ほんわりした甘みが素敵でした。ぜひ、砂糖の蓋を開けてみてください。

 終わってからは舞岡公園の駐車場に車を停めて、金子ファームを見ながら公園の反対側に回り、古民家を見ながら戻ってきました。

 

11年2月2日昼の来訪。

 幼稚園でやっている娘の絵画教室が終わって昼は近くのここに。
 
 ざるうどんのつゆはいつもながらに濃い出汁。とろろ昆布を水に溶かしたような旨味は賛否両論あるかもしれないけど、他にない味。
 どうしてここにミシュランが☆をつけないのかと思うくらい。「しま村」 につけるのだったら、ここの方がミシュラン好みだと思うけどな~。まあ、仮についたとしても人がいないから対応できないだろうけど(笑)。
 
カキフライ 1400円

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 カキフライ4個。
 カリッとフライをかむと、なかは何とも見事な火の通り具合のジューシーでエキス溢れる牡蠣。グハッ!たまらん!!
 
かにクリームコロッケ 1800円
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俵型の大きなコロッケが3個。カリッとかむと中からとろりとしたクリーム、そしてカニの身。旬のタラバガニの身をそのまま入れているなんて!! これもまたすごく美味しい。値段も高いけど、この美味しさはなかなか味わえません。
 
 これを食べて思うが、この店はまさにミシュラン好みの店だなぁと思う。建物のしつらえ、味、目のまで調理する食べ方など。後はワインか(笑)。日本酒や焼酎はすごいんだけど。

 

 

14年2月1日昼の来訪。

 本日は午前中で仕事を上がり、出かける準備をして妹一家の家に。
 まずは昼を食べようとこちらに。
 
特上ロースかつ 2310円

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 最初に出てきたのはつけダレやキャベツのお盆。つけダレが柚子ポン酢、胡麻だれ、ソースと3種類。それにボリビアの岩塩とレモン。
 煮物も結構おいしい♪

 柚子ポン酢に七味を入れてキャベツをいただく。柚子ポン酢美味しい♪ でも、塩で食べるとキャベツの甘みが感じられて良かった。
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 ロースかつは後からごはんと一緒に登場。

 これがまたさすがの美味しさ。食べた家内が次はロースかつというくらい。
 ごはんに、具の若布の濃いお澄まし…に見えるお味噌汁(ダイスケ母さんに間違いを教えてもらいました)。
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 食後にはコーヒーです。