「あらや滔々庵」(☆☆)
http://www.araya-totoan.com/
あらや滔々庵

 
 山代温泉 の名旅館といえば「べにや無可有」「白銀屋」 、そしてここと聞きます。
 宿名は大聖寺藩主専用の湯壷の鍵を預かる役目についた初代荒屋源右衛門に由来。

 源泉をすぐ隣に持ち、かけ流しの温泉に驕ることなく、常に進化を続ける極上の宿です。
 
住所:石川県加賀市山代温泉湯の曲輪
電話:0761-77-0010
 
 外観は完全な和風建築。目の前に車を停めるとすぐに中から和装の女中さんが出てきてくれました。パワフルにも車から荷物を持っていただき、中に案内されます。車は当然お店の方が駐車場に運んでくれ、次の出立の時間までに同じ場所に持ってきてくれました。
 石畳を歩き、暖簾をくぐると番傘のおかれた玄関。

あらや滔々庵01
 自動扉が開き、暗めの広い玄関からすでに畳に上がるようになっています。結城畳という半畳の畳で玄関で靴を脱いでから部屋にいたるまで素足で館内を歩くことが可能。その玄関には北大路魯山人の書いた鶏の絵の屏風が置かれていました。

あらや滔々庵02
 明るい中庭を眺めながら、炉山人の陶器が並ぶ棚を見つつ、エレベータへ。

あらや滔々庵03
 このエレベータも畳敷き、天井には京都の祝福された飾り。きちんとお年寄りのための椅子も用意されているところが感心させられます。

 
 宿泊は4階の友禅の間。仲居さんが専門でついてくれ、いろいろ世話を焼いてくれます。
あらや滔々庵04
 部屋は居心地の良い和室で、奥の窓際のみ竹を敷き詰めた洋風なスペース。お風呂もついていますが、あまり使われていないようでちょいと誇りっぽい。窓側にはちょっとした書斎的スペースもあって心和みますが、希望としてはここに電源とインターネット接続用のLANの端子が欲しい(笑)。
 

あらや滔々庵05
 最初に抹茶と和菓子を振舞ってくれます。透明なゼリーをのせた緑色の餡は美しく、中野漉し餡と合わせて美味しい。木を削った匙も味わいがあります。
 その際に身長を聞いて浴衣を用意してくれました。館内はすべて素足のため、足袋も用意してくれます。

 

 3つある風呂のうち、中央は烏湯という特別な風呂。9時と21時で男女の風呂が入れ替わりますのでご注意を。
 温泉はすべてかけ流し。

あらや滔々庵06
 烏湯は純粋にお風呂を楽しむ空間で、濃い灰色の壁に黒い天井の暗い空間。非常にスタイリッシュ。熱い湯舟とややぬるい湯舟の2つが用意され、ゆったりと瞑想にふけることが出来ます。どちらを向いても中庭に面しているのは面白いかも。
 通常の湯舟はそれぞれ露天風呂を有しています。そのしつらえもそれぞれ素晴らしい。

あらや滔々庵07

 こちらは左側のお風呂。現代的でちょっと物足りない分、烏湯とセットで男女の交代が行われています。

あらや滔々庵08

 こちらが右側の風呂。風呂としてはこちらの方が昔ながらの風情があります。

 
 ちなみに、お風呂の前には男女が待ち合わせる場所も用意され、ビールとAQUAMAGICという水が無料で置いてあります! さすがは贅の宿。

 

 夕食の内容は明日の「あらや滔々庵」(2) 夕食編 に続きます。

 次の日の朝食は明後日の「あらや滔々庵」(3) 朝食編 で。