残念ながら閉店されたようです。

 再訪がかなわなかったのはまことに残念。

 唯一無二の蕎麦として記憶に残る蕎麦でしたのに。

 

「石臼碾き手打ちそば 虚無蕎望 なかじん」(☆☆彡)
http://www.nakajin.net/

なかじん
 

 つなぎなしの十割蕎麦のえもいわれぬ素晴らしい香りを堪能できる店が京都にありました。
 こじんまりとした店でカウンター越しに出される蕎麦のコースに舌鼓を打つ。

 すべてにこだわりを感じられる蕎麦の名店です。
 
住所:京都市東山区東山三条古川町546
電話:075-525-0235
定休:水曜(火曜は昼のみ)
営業:12時~13時50分/18時~20時
 
 商店街の中にこの店はあります。
 店構えは純和風の塗り壁に木の板の看板、そして古びた白い暖簾。

なかじん01
 中はカウンターのみで照明はダウンライトのみと暗め。カウンター角には栗が置かれていて風流な感じがしました。
 公式サイトを見ると蕎麦三昧やお昼のおきまりなどのコースにアラカルトなどがメニューとして上げられていますが、実際はさらに上の昼の蕎麦点心のコースが。並で3850円。二人ともこれを注文しました。
 
そば粥

なかじん03
 最初に出されたのは小さな茶碗のようなぐい飲みに蕎麦の粥。トロトロした粥で味付けは真ん中に赤く落とされた梅。
  
粗碾きそば
なかじん02

 ざるの上にやや太めで短めの田舎蕎麦らしいそば。

 粗引きした蕎麦の殻が入り色が濃い。薬味に白いネギと先ほど目の前で摩り下ろしたばかりの山葵。蕎麦汁はほんの少し注がれて出されますが、自分で自由にも入れられます。そして粗い塩です。海塩でしょうがなんとも美味しい。

 お勧めは蕎麦を塩でいただくこと。蕎麦を口に近づけるだけでその芳醇な蕎麦の実の香りにうっとり。ピーナツのような燻されたような不思議な香りです。これは他の店では感じたことがない。

 そばつゆもやや濃い目でしっかりした昆布と鰹節で美味しい。
  
そばがき
なかじん04

 ふんわりしたそばがきです。とろとろでありながらねっとりと歯に絡まる心地よさ。
 わさびがちょいと落とされていました。塩でも醤油でもいただけます。
  
海老天ぷら
なかじん05

 海老の天ぷらに獅子唐の天ぷら。さっくりと揚げ方は最高。これは家内が絶賛。レモンを絞りますが、塩で食べるのが一番。先の蕎麦の塩とは違う少し褐色の入った肌理の細かい粉のような塩。こだわりですね。

 

せいろ
なかじん06

 陶器の更にざるをのせて盛ったせいろ。

 やや白い感じの細い蕎麦で、手打ちらしくたまに太いものが混ざっています。そこがいい(笑)。これもまたより繊細な印象がしますが先ほどと同じような芳醇な香りの強さに変わりはない。塩でいただくのがやはり美味いが、細い分そばつゆの絡みがたっぷりです。

なかじん07
 蕎麦湯も非常に楽しめます。渋い急須が最高。
  
デザート
なかじん08

 家内はそば蜂蜜のシャーベット。シャーベットというよりもクリームのような滑らかさです。

なかじん09
 ぼくはそばの実アイスクリーム。アイスクリームに蕎麦の粉がかけられています。
  
冷たいウーロン茶 580円
 台湾香擯茶を使用。お代り可能です。ガラスの器に透明感あるウーロン茶で口に含んだときの香りが大変良い。冷たい烏龍茶でこんなに香りが良いというのは驚き。こんなところにもこだわりがあるのですね。
  
 途中トイレに行ったのですが、途中で蕎麦を打つ場所がガラス越しに見えるようになっていました。

 小さな京都を感じられる奥には白い玉砂利と石臼のような小さなオブジェ。手洗いに置いてあるぼくも昔よく使ったPAXの泡の手洗いクリームに共感を覚えました。いいもの使っています。
 
 ちなみに05年9月の京都旅行のときの来訪です。平日昼にもかかわらず常に満席で待ちが出来ています。予約していったおかげで先の3人組の次に入れましたが。
 店を出たのは13時前ですので、1時間かからない手早さが良いですね。