「御社が求める人材像を教えてください」

この質問はよく学生からされます。
聞きたい気持ちは理解できるし、勇気を出して質問してくれているので、質問してくれた人が見てたらごめんなさいね。

この質問を聞くと、私はすごく違和感を感じます。
違和感というのは、その質問をして何を知りたいのかな?と思うからです。
おそらくどの企業に行っても、そう大差のない回答が返ってくるのではないでしょうか。
「やる気がある人」、「向上心がある人」「何かを成し遂げたことのある人」
こんな感じかもしれませんね。

では、この答えが企業側から返ってきたら、あなたはどう思いますか?
面接で何を言えば良いかを考えていませんか?
面接では、向上心があることをアピールしよう、そして「どうして?」と聞かれた場合に
答えられないといけないので、向上心を持って取り組んだことを思い出して
それを例に答えようと、考えていませんか?

面接対策としてはいいのですが、そもそも就職活動の考え方がズレています。
先日も書きましたが、合格すればいいってものじゃないですからね。
自分を偽っても、その後苦労するのはあなたですよ。なんとなく受けたら受かっちゃって、でも仕事楽しくないなー。同期はなんか楽しそうにしてるけど…。入る会社間違えたかな。そんな気持ちにきっとなります

では、自分のアピールポイントはなんでしょう?逆に言えば、これがわからないから、企業の求めるような人物像を探りたくなるんでしょうね。
ネットで適性診断もできます。これも一つの手です。結果を見て、確かにそうだなと思うこともあると思います。
大切なのはそこからです。例えばマネージャー適性がないと診断されたとします。そして自分もどちらかといえば、人の上に立つより支えたいという気持ちが強い、という人がいます。あるいは、管理職につくより、お客様と話していたいという人もいます。マネージャー適性がないことが不利になると思ってはいけませんよ。マネージャー適性がない代わりになにが得意なのかをちゃんと見極めることです。

当社もチャレンジスピリットを掲げているので、もちろんいろんなことにチャレンジしていきたいと思います。でもチャレンジって人それぞれ。コツコツと仕事をするのが好きな人は、コツコツやる時間をどうやったら早くできるか、どうやったらもっと正確にできるか、こういう改善をしていくのもチャレンジ。
そもそもその作業っていらないんじゃない?と全体を変えようとするのもチャレンジ。チャレンジの形は無限にあります。
なにが言いたいかというと、好奇心旺盛で新しいものに飛びつきたい人はコツコツが苦手です。逆にコツコツが得意な人は変化に弱かったりします。でも、どっちもいるから組織って成り立つんですよ。どっちが優れているということはないんです。新しい発想をする人がいて、その人の発想をどういうものかを設計できる人、そしてその設計されたものを実際に仕事として運用してくれる人、そういうチームがあるから組織は成り立つんです。

映画業界の適性ってわかります?たぶんわからないと思うんですよ。
だって、全体をまとめる監督がいて、セリフを描いてくれる人がいて、俳優がいて、カメラマンがいて、音声がいて、編集作業する人がいて、セットを作る人がいて、いろんな人が携わって一つの映画ができるんですよね。仕事も一緒ですよ。

自分がなにが得意なのか、何をしている時に集中するのか、なんだったら向上心をもってやれるのか、そういうところをもっと見てくださいね。
次回は、その得意分野の分析方法をお伝えしようと思います。