『神様のパズル』読んだ | 想像妄想空疎空想うそ日記

『神様のパズル』読んだ


神様のパズル (ハルキ文庫)
機本 伸司
神様のパズル (ハルキ文庫) (2006/05)


留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。天才さゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞。だが、究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんと彼女は、ゼミに現れたのだ。僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが…。第三回小松左京賞受賞作。
(Amazonより引用)

 一年くらい前におすすめ本として知人に紹介してもらって、先日ようやく文庫版に出逢えたので読んでみた。 

 主人公の綿貫のやけくそな挑発に乗って、飛び級で大学に入ったあと不登校になっていた16歳の天才少女・穂瑞はついにゼミに現れる。人が宇宙を作ることはできるのか――神のパズルは解けるのか。大学のゼミを舞台に、既存の概念を支持する「宇宙は作れない」派と、穂瑞嬢(メイン)・綿さん(おまけ?)の「作れる」派がディベートを繰り広げる。
 すごいテーマの話だ。書きたいと思ったって簡単には挑めない壮大な題材。真正面から書ききった作者がすごい。しかもそんなテーマを抱えつつ、学園ラブコメだし。

 ちょっと違うが、以前知り合いの○氏が、「宇宙は膨張していると本に書いてあるけど、じゃあ宇宙の外側はどうなっているのか」と周囲に聞きまくっていたことがあった。自分は「無じゃね?」と答えたし、そのほか「なんか黒いの」「観測不能だから分からない」と言った人もいたが、○氏はどの答えにも納得せず、ひたすら不思議がっていた。自分は何にも無いでいいんじゃないかと深く考えもしなかったので、分かりそうにないことや当たり前と言われていることに疑問を持って、本に書いてあることも簡単には鵜呑みしない感性に感心した。

 というようなことを、読んでいて思い出した。

 でも……。
 疲れた(ぱたっ)。

 自分にとっては「読みにくいSF」に近い本だった…。難しくてときどきめんどくさくなってしまって、休み休み読んだ。物理わかんねー。Amazon見るとけっこう高評価で、みんな頭いいんだなあ…。へこむ(へこむなよ)。アダム・ファウアーの『数学的にありえない』 を思い出したけど、自分はまだ『数学的~』のほうが楽しめたような気がする。
 あとラスト、物語としてはうまくまとまってきれいにオチているのだが、もっとぶっ飛んだ世界に行ってくれてもよかったかも…。いっそ落ちずに上がるがいい!みたいな(?)。万人向けの平和的青春小説的結末という印象だった。まあ個人の好みであろう。
 
 それとこの本は挿絵がほしい~。ぜひ「むげん」をビジュアルで見たかった! 二つの山に架け渡された∞型のリニアコライダー。かっこよさげなのに知識が無い己にゃ想像しにくい。映画が今夏公開予定らしいので、そちらに期待? →Wikipedia 神様のパズル にリンク


神様のパズル
機本 伸司
ハルキ文庫 (2006/05)

↓先に出たハードカバー版。文庫化に当たって大幅に加筆修正しているとのことなので、読むなら文庫版がおすすめかも。
神様のパズル
神様のパズル (2002/11)


 ところで、ホミズ、ワタサン、モリヤ教授。
「綿さん」って若いのにコイツ水戸黄門ファンか?とか思った自分…。巻末の解説まで気付かなかったのって、そうとうニブいのか…。