この記事は2013年の再アップです。

 

 

一月の中ごろ、昔お世話になった鉄筋屋の社長の息子から、電話がかかってきた。


 


 

息子のおかあさんが、飼っていた愛犬が、12月の21日に死んだので、遺体を焼いてもらい、簡単にその施設の中で、お坊さんが拝んでくれて、お骨を家に持って帰り、二月の七日に四十九日になるので、拝んでもらいたいと言ってきた。


 


 

二月の七日は、土地鎮めの日で出張するため、無理だと言うと、とにかく供養のために、拝んでもらいたいと言う。


 


 

私もいろいろ予定があるので、一月の31日なら午前中あいているからと伝えると、その日に頼みたいと依頼されたので、承諾した。


 


 

そして今朝の話である。  今日は42日目にあたり、朝九時にそのお宅を訊ねていった。


 


 

ご挨拶をして、お宅にあがらせていただくと、おかあさんが話しだした。


 


 

母親 「私が可愛がってたココちゃんが12月の21日に死んだのよ。 そこで○○園という、ペットの葬儀場に持って行って、遺体を焼いてもらい、お坊さんが簡単に五分ほど拝んでくれて、骨つぼにいれて持って帰ったのよ。 でも・・どうもココちゃんがちゃんと、あの世に迷わずいってくれるか気になってねぇ。。  そこで貴方に拝んでもらえるように息子に頼んだのよ。今日はよろしく御願いします。」と涙ながらにおっしゃった。


 


 

私は、母親にこう言った。


 


 

「わかりました。今日はココちゃんが良いところへいけるように、しっかり拝んで供養させてもらいますから、どうぞ安心なさってください」


 


 

そうは言ったものの、私の考えでは・・可愛いペットの供養なら、ご本人が真心こめて拝んであげれば、充分思いは届くし、持って帰ってきた骨は、どこかの土地に埋めてあげれば、それでいいと思っていた。


 


 

話を聞いていくと、その前に飼っていたワンちゃんは、お墓を立て、永代供養を頼み、年二回はその施設に皆があつまってお坊さんが拝んでいたらしい。


 


 

そのころは、仕事もうまくいってお金があったのだが、今回は不況のあおりをうけ、お金がかけられないので、とりあえず私に拝んでもらい、最低限のお金が出来たら、施設に骨をあずけて供養する気らしい。


 


 

これは、いらぬことは言わないほうがよいと思い、依頼されたことだけさせていただく事とした。


 


 

約40分ほどの間、供養のお経を唱え、お不動さまに御願いしてワンちゃんの魂が迷わないように、あの世に連れていっていただけるようにご祈祷させていただいた。


 


 

お経が終わり、おかあさんに伝えた。


 


 

私 「おかあさん、ココちゃんは迷わず、良いところに連れてっていただけるように、お不動様と観音様のお経を唱えて御願いしましたから、安心してくださいね。  あまりにワンちゃんの事を悲しみすぎると、その想いがワンちゃんを引っ張るので、成仏だけを願ってあげてくださいね」


 


 

母親 「はいはい、どうもありがとうね。  これで一安心しましたよ。  あとは、息子が早くお金を作ってくれて、永代供養だけでも御願いしてくれたら、私の気は落ち着きます。」


 


 

よくよく話を聞いてみると、前回死んだワンちゃんのときは・・・お墓が30万、墓地代金が25万。。永代供養代金が30万。。葬儀代金が20万円。。しめてざっと100万円くらいかかったそうだ。。


 


 

今回は・・葬儀代と焼却代、お坊さんの拝み料などあわせて5万くらいだったそうだ。。。


 


 

永代供養代は、最低13万円、年に二回の合同祈祷が3万くらいだそうだ。。


 


 

このごろは、ペットも家族の一員、人間並みの供養を・・と願う方も多いと聞いている。


 


 

それは大変良いことだとは思う。   しかし・・・こんなことを言ったらペットの葬儀業界から怒られるかもしれないが・・。


 


 

お金をかけたら、かけただけ立派な葬儀が出来、供養も立派なものができるというのは・・いささか問題があるような気がする。


 


 

このことの是否を問う気はないが、私の心のなかに、なんとも言えないわだかまりが残ったのである。


 


 

何が正しいのか・・あきらかにすることもないのであろうが・・私としては・・あまりに・・人の思いを・・お金で換算するような商法は・・いかばかりであろうかと・・疑問に思ったのである。


 


 

生きとし生けるものの魂の重みには、なんら変わりはないはずであるが、その境涯において、それぞれの修行方法や、罪の犯しかたには違いあろうと思う。


 


 

言いたいことは山ほどあるが、このことに関してはこれぐらいに留めておきます。                           合掌