旧御津郡加茂川町、今の吉備中央町に提婆天があります。

円城ふるさと村の中に、円城寺と言う古刹のお寺がありその中に提婆宮があります。

『加茂の婆提は、人を取る』と、昔から言い伝えられる所です。

提婆天のお使いの狐が、円城出身の女性が、嫁ぎ先や、奉公先で、苛められると、お狐様がどこまでも追いかけて、仇を取ると言われていました。


また、この提婆天を祀る、お宮の後ろには古い杉の木が数本あります。

その杉の木に、丑三つ参りで、人型の藁人形を、五寸釘で打ちつけて、呪いをかける風習が、秘密裏に現代にも続いているそうです。


人の世の、法律で裁ききれない事や、恨みの念を、夜中にお宮の境内に参って、呪いの釘を打ちつける行為も、現法律では違法じゃないのです。(ただし、念じると言う行為の事で、不法侵入とか器物破損にはなるかも?)

拝み屋として、恨みを抱く人の心を、責める事はできません。

幸せを願う事も、家族の健康を願う事も、商売繁盛を願う事も。

また、恨みを抱いて、相手の不幸を願う事も、どちらも念の世界の事であります。

念の世界は、表裏一体、両刃の剣と、いつも思います。

いずれにしても、己の命さえもかけて願うならば、叶う事だと思います。

 

ただし、人を呪わば穴二つと申します。くれぐれも人を呪うことは、おやめください。