本館で頂いた ち**様 のコメントから思いついた短編です。


本編はこちら でお楽しみください。


「これ・・・」

「初めて見るわね・・・」

「こんなに0が並ぶ通帳って・・・」

「パパ・・・手が震えてる」

「手だけじゃないぞ、心臓もバクバクだ」

リビングで開いた通帳の右側はおじいちゃん左側はおばあちゃんが握りしめている。

ただいまって帰ってきた僕の目に飛び込んできた光景。



「どうしたの?」

僕が高校から帰宅する頃は今日の夕食のメニューを想像させるおいしい匂いと「おかえり」の明るいおばあちゃんの声が僕を出迎える。

リビングではおじいちゃんがビールをおいしそうに飲んで仕事の疲れを落としてる時間だ。



「今日な、お前の生活費にって司君から届けられた」

「つくしからはしっかり駿の生活費もらってるんだけどね」

それは僕も知っている。

母さんが僕にくれたおこずかいの制限額は1万円。

生活費と雑費だと月10万の振り込みがある僕名義の通帳はおばあちゃんが管理してくれてる。

父さんが渡してくれた高校生が持つには必要ない限度額無制限のカードは机の引き出しの奥にしまってる。

こんなカードどこで使うんだよ。

やっぱり母さんの方が現実的だ。


父さんから送られてきた通帳には8ケタの数字が並んでた。

父さん・・・

僕は英徳に通ってるわけじゃないから・・・。


「高校生活だけじゃ使い切らないぞ」

たぶんその金額は3年分じゃないと思う。

1年分?

父さんの感覚から言ったら1か月分てこともあり得る。

それを口にする前に母さんに相談した方がいいと僕は思った。

おじいちゃんもおばあちゃんもそうじゃなきゃ気を失いかねない。



母さんに連絡入れたら・・・

「何考えてるの!」

「そんな大金どう使うのよ!」

「俺のポケットマネーの額だ」

一歩も引かない攻防戦を想像。

なに不自由なく育った父さんとお金の大切さを知ってる母さんの価値観は平行線のまま。

父さんが無頓着過ぎるって僕は思う。

小さいころから一般家庭の金銭感覚ってやつを母さんに教えられてきた僕。

父さんより僕の方が母さんの価値観を理解してると思う。


「駿、おまえから司君に言ってくれ、この年で驚かされると心臓に悪いって・・・」


実際・・・・

父さんの行動に驚かせられるのはおじいちゃん、おばあちゃんだけじゃなく僕も同じだ。

きっとこれからもいろいろあるって思う。


僕らは父さんで苦悩する。

母さんと僕それに牧野家が加わった。




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拍手コメント返礼

あさみ 様

8ケタの振り込みが1カ月の生活費って司ならあり得ますよね。

駿君の読みは正しい♪

1万円のおこずかいで済んでくれたら親はどれだけ楽だろう。

案外駿君はおこずかいに関しては無頓着な設定にしてます。

自分で買わなくてもなんでもそろってる生活をしてるだろうし、英徳では運転手付の車の送り迎えで

英徳と屋敷の往復しかしないような坊ちゃん。

その方が高校生活は新鮮で楽しめるぞって設定です。


ち** 様

そうなんですよね。

アメブロはコメントが表に出ちゃうんですよね。

それを考えて記事によっては拍手を付けることにしたんです。

案外これが手間がかかる。(^_^;)

でもこちらでもち**様のコメントが読めてうれしいですよ。


司に一般的な生活費の目安なんてわからないでしょうね。

つくしちゃんに任せておけばいいのに(笑)


匿名様

道明寺と牧野家の金銭感覚のバランス。

半端なく違う中で考えたらつくしちゃんも良くやってると思うのは私だけでしょうか。



あきた様

出来るなら私もその通帳が欲しいです。

速攻家のローンに消えていく。


haru-haru様

お初のお越し俺しいです。

こちらは本館で増えすぎたカテゴリーを調整するために短編をメインに更新していくつもりです。

本館共々よろしくお願いします。

高校時代のつくし親子の会話が懐かしいですよね。

原作じゃすぐに懐に入れそうな両親ですが、私のイメージはドラマの中のパパとママで書いています。

思春期にしては素直すぎな駿君ですが、イラつく駿君って想像できなくなってます。

司の子供なのに不思議だ。(笑)


b-moka様

こちらでの拍手コメントありがとうございます。

牧野家はなれないでしょうね。

意外とまだつくしも慣れてなかったりしてるかも。