今回は腰椎の安定性についてまとめてみたいと思います。
最近、高齢者に限らず、若年者、中高生のスポーツ選手においても腰痛の訴えを多く聞きます。
そんな方の特徴として、腹部が前方へ突出し、腰椎前弯亢進・胸椎後弯亢進、hyper-lordosis、sway-back様の姿勢を呈していることが見受けられます。
突出した腹部の引き込みにより、腰椎の前弯軽減により腰痛が軽減することはみなさん経験済みかと思います。腹部を引き込むことにより、腹圧が上昇し、腰椎椎間板や椎間関節のストレスが軽減し、腰部が楽になるというようなことは様々な人がおっしゃられていますね。
その腹部の筋により、どのような影響がもたらされ、腰部のストレス軽減につながっているのか、もう一度整理したいと思います。
腹圧の上昇には腹筋群が大きく作用しますが、中でも腹横筋が関与してくると言われています。腹横筋はあらゆる動作に先立って活動することが報告されています。なので、腹横筋の機能というのが大切になってくると考えています。
腹横筋は
胸腰筋深葉・中葉、7~12肋軟骨内面、腸骨稜内唇、鼠径靭帯外側部から起始し、腹直筋鞘前・後葉、白線に付着します。
広い面積を持つ筋で、上部、中部、下部で走行が異なります。
肋軟骨に付着を持つ上部では両上前腸骨棘を結んだ線となす角が2.7°と水平に近く、胸腰筋膜に付着を持つ中部では13.3°、腸骨に付着を持つ下部では21.2°と下部の線維となるに従って傾きが大きくなってくるとされています。
腰椎の安定化という大本があり、3方向への付着を持つことから、筋の作用もそれぞれ違うとされます。
まず上部線維は肋軟骨に付着を持ち、胸郭の拡張に影響をもたらすことから呼吸に関与していると考えられています。
中部線維は、姿勢の安定化として作用し、下部線維は骨盤の安定化により働くと考えられます。
次回は腰椎安定化のメカニズムにつて考えてみたいと思います。
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