おとうさん | こわい世の中

こわい世の中

どうしてこんな世の中になった。

父が認知症で施設に入っているのです。

施設の方にボロを寄付しに、母と行きました。


すると施設の人は感じのよい方ばかりでした。

ところが、この日は、私は始めて会った方で、


父がたまに暴れたり汚いことをして困る、

着替えなど何もないので亡くなった方の服をこちらが気を利かせて着せていた、

シーツもなくてかわいそうでした、となりの方のを貸してやっていました、

靴下も伸びていて気の毒、


など・・あれやこれや・・


こちらは何も聞いてなくて・・


けど、あちらは「もっともっと言いたいことは山ほどあるんですよ!」プンプンDASH!という感じ(オーラ)で接しられ、

憤りがダイレクトに伝わってきました。


こちらが預けた衣類の箱は出てこなく、

「男の子が担当なので連絡が徹底してなくて悪かったですけど!」と、言われ放題な思いをしました。


カチンと来て、こちらこそ知らない人の服なんか着せてほしくない!

口が利けないから、これでもいいでしょうと?その方の母親の女性用帽子をかぶせられていました。

頭をかくとふけがおち、汚いからだそうです。

おむつをつけていて、座っていたソファーカバーを汚しても交換することはない様子。

(日曜の日中、男性の手がないからでしょうか)

アトビーだといわれ湿疹の様子を私たちに見せようと、大勢の前で父のズボンを下ろして、

ここでは人扱いはされてないのだ、と感じました。


肉親がここでは厄介者(厄介な動物?)になっている。介護士の方に直接苦情を言われほんとに悲しかったです。


母は言われっぱなして感情的になり、介護士の女性に少し言い返したりもしました。

さんざんこちらがいやな思いになった後に、「一緒に散歩に行きませんか」と誘う気持ちもわかりませんでした。


でも、思い直しました。


こちらが看るべき人を預かってもらっている。

汚いものの、危険なことも、身代わりになってやってもらっている。

こちらで引き取ろうにも母と2人暮らしでは24時間看護が出来ない。

ここには入れるまで、ケアマネ方に親切にしてもらって、やっと入居できた時のこと。


でも、せめて寝たきりになったら引き取ろうと母は決心してました。

気の毒で、いっそ私が家で面倒を看たいという気持ちになったそうです。


正直15時まで家に帰って中山牝馬Sをやろうと思っていたけど、そんな気は飛びました。

これから買い揃えて今日のうちに届けないと気が済まなくなり、それから3時間後には

記名の入った衣類、毛布、フトンカバーをそろえてやることが出来ました。


あの介護士がああいうように言わなければ私達も動かなかったのかもしれません。


そう考えて、父のことを母と私とで祈っていこうと決めました。