27日、地方創生特で質問しました(ココ)。この委員会は、個別の細かい政策については基本的に良いことだけなので、大きなフレームワークで議論していくことが適当だと思い、それに徹しました。

● 政令指定都市と道府県の関係
 まずは政令指定都市と道府県との関係について聞きました。これは政令指定都市たる北九州市に住むものとして、いつも感じている所です。よく政令指定都市は「県並みの権限を持つ」と言われており、道府県には広域でなければやれないものだけが残るとされています。しかし、実際、色々な陳情を受けて取り組もうとすると、必ずしもそうとは言えない事例に当たるのです。

 統一的な考え方は上記のようなものなのでしょうが、実際の個別法の運用では幅があって、統一性が必ずしも見いだせないというのが私の問題意識です。

 地元で気になるものとしては、小倉を流れる二級水系である紫川。県管理ですけど、市街地の付近は市に移管されています。しかし、この紫川は上流から下流まですべて北九州市内にあります。法律でこの手のものは市に権限、財源共に移管してくれないかなという思いがないわけではありません。

 あと、同じく疑問があるのが、一級水系である遠賀川の支流である黒川。遠賀川本流に繋がるまでの間、数キロの短い川なのですけど、畑貯水池から暫くは市、そこから県、そして本流に繋がる手前の所で国という三分割された状態です。地元の方は黒川でホタルを大切にしておられます。ホタルは国、県、市なんてのは関係なく住んでいまして、そこがお役所の事情で三分割されていることへの違和感は拭えません。

 あと、道府県と政令指定都市の関係で言うと、国の法律で今、どんどん政令指定都市に権限を移しています。一方で、大阪都構想というのは、考え方として政令指定都市(大阪市)を廃止して、その権限を府の方に一定程度戻そうというふうに見えます。今後、このベクトルが異なる2つの方向のどちらが望ましいのかなと思って、大臣に質問しました。

● 特区
 これは福岡での経験を踏まえて、あれこれと聞きました。内容は多岐に亘りますが、主な所として言いたかったのは、以下のようなことです。

- 特区という手法はあくまでも正攻法ではない。課題の規制緩和を全国展開出来るような努力をすべき。その観点から、今国会に上がる予定の法案にある規制緩和メニューは本当に特区でやらなくてはならないのか。
- 特区が取れたとしても、個別の規制緩和メニューの議論になると、各省庁の専門性の高い課長補佐にコテンパンに言い負かされてしまうので、これまでの経験から地方は特区による規制緩和に対して心が折れている。結果として、特区においては規制緩和よりも、それに伴う財政措置に関心が向くことが多い(これを「ビックリマンチョコのチョコは要らないけど、シールが欲しい。」と形容しました。)。
- 特区では、地方から大胆な規制緩和案が上がっていくことを期待したいが、地方は大胆なものを提案すると、所管官庁から睨まれるのではないかという恐れを持つ。そこを内閣府特命担当大臣は守ってあげる方向で頑張るべき。
- 特区での規制緩和提案については、基本的にはやるという方向で考え、出来ない理由はすべて所管官庁側に転換すべき。「できません、なぜならば」の考え方を徹底的に排除すべき。

● 地方分権と予算編成
 毎年、予算編成の時期になると、既存の予算をスクラップして、それを財源として特別枠という要求が出来るようになっています。これは民主党政権時代も、自公与党政権でも行われています。

 既存の予算を減らすというのは、中央官庁の地方への権限の減少とほぼ同義です。しかし、それを財源として、仮に「地方創生特別枠」ということで予算を付けたとしても、新しい国の事業をやるということが本当に地方創生になるのかと思います。むしろ、スクラップした予算は地方が使い出のいい地方交付税として渡す方がいいのではないか、地方創生特別枠とか言って、国の関与がある予算にしない方がいいのではないかと思うわけです。

 かつ、今年度の予算で地方創生特別枠という名目で確保された予算は、予算委員会で同僚議員が指摘していた通り、85%は既存予算の付け替えみたいなものでして、新味が本当にありません。中身を見てみても、どうしてもこれが地方創生予算なのかと思いたくなるものすらあります。

 予算作成のフレームワークをそもそも見直して、スクラップした事業は切りっ放しにした上で、そこで生み出された財源は地方の自由度を高める予算編成に使うことが理想ではないかということから聞きました(理想論ですけど)。答弁はあまり見るべきものがなかったので、今後の課題にしたいと思います。