ちょっと毛色の違う内容ですけど、国際リニアコライダー(ILC)や国際熱核融合実験炉(ITER)についてです。

【質問】
一. 現在、国際リニアコライダー(ILC)の国内候補地選考はどうなっているか。
二. 現在の試算で、ILC建設に際して、国、地方の負担としてどの程度のものが想定されているか。一定の仮定を置いた上で差支えないので、具体的な数字を答弁ありたい。
三. 国際熱核融合実験炉(ITER)に関し、二千七年に「イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の設立に関する協定」が発効した時点で想定されていた欧州連合、フランス共和国、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏、ブーシュ=デュ=ローヌ県の負担はどのようなものであったか。
四. 問三で質問した負担は、現在の見積もりではそれぞれどの程度になっているか。一定の仮定を置いた上で差支えないので、具体的な数字を答弁ありたい。

なお、本主意書に対する答弁については、国会法第七十五条第二項に定めのある期限内の答弁を求めないので、出来る限り、具体的な答弁に努められたい。

【解説】
 将来加速器であるILCについては、岩手と福岡・佐賀が国内候補地として競い合っていましたが、まだ最終的に決まっていないように聞いています。日本として誘致したいのであれば、さっさと結論を出さないといけないはずです。

 そういう中、気になるのは「国、地方にどの程度の負担が生じるものなのか」ということです。大体、この手のものは想定よりも建設し始めたら負担が膨らむのです。気が付いてみたら、悲鳴を挙げたくなるようになっているかもしれません。

 その観点から、日本とフランスで激しく競りあった国際熱核融合実験炉(ITER)の事例を取り上げてみました。最終的にはフランスのカダラッシュという場所に決まりましたが、フランスの新聞を見ていると「負担増」の記事を何度か読んだことがあります。別にILCとITERを同一視する意図はありませんが、規模の大きい研究施設を作る時に生じるコストの上振れリスクを知っておくことは意義のあることだと思います。