先のエントリーで、「企業団体献金」について書きました。

 何故、止められなかったかというと、簡単な事でして「貰っている人がいた」ということと「もっと貰いたいと思った人がいた」ということです。たしかに廃止してしまえば痛手になる方もいたでしょうが(私はなりませんでした)、政局論的に言えば、自由民主党の方が痛手だったでしょう。「肉を切らせて骨を断つ」といった発想にすらなりませんでした。

 ちょっと話が飛びますが、私は今よく「何故、民主党を目指したのですか?」と聞かれます。本当によく聞かれます。私の答えは「自由民主党の良くない慣行を止めさせたい、と思ったからです。その青雲の志自体は(政党所属云々にかかわらず)変わっていません。」とまず答えるようにしています。

 そこからはかなり正直でして、「私は自由民主党の良くない所を止めさせたいと思っていました。しかし、当選後、必ずしもそういう思いを共有していない方がいる事にも気づきました。『自由民主党のやっている良くない所を止めさせたい』ではなくて、『自由民主党のやっていることを止めさせて、自分達がやりたい。』という方が一定数いたことに結構驚いたものです。当選直後、『業界団体とのお付き合いの仕方講座』みたいなオリエンテーションを受けた際に、とても違和感を持ちました。そういう手法と違うことを志向して政権交代を訴えたのではなかったのかと思ったものです。それが国民に嫌われたという所もあると思います。ただ、私が抱いた青雲の志は変わっていません。」、こんな感じの話をしています。

 この「自由民主党のやっている良くない所を止めさせたい。」と「自由民主党のやっている事を止めさせて、自分達がやりたい。」との違い、企業団体献金のみならず、色々な所に出てきました。あるマスコミの方と話した際、「民主党は広い国民支持を顧みず、目の前の業界団体に飛びついてしまった。」と言われたことがあります。そういう事なのかなと改めて思います。

 もっと言うと、慣れていなかったので、「自由民主党のやっていること」をやろうとした際に、かなり露骨にやってしまって、業界団体の方々にも嫌われてしまったという面もありました。見ていて、あまりの露骨な圧力振りにビックリした場面を何度か出会いました。

 その結果が今回の「経団連による企業団体献金の再開」です。今更、「あの時、やはり廃止しておけばよかった。」と思うのは、(自戒を込めて)とても拙劣な事だと思います。

 少し青臭いことを書きました。落選中ですから、これくらいの事は書いてもいいでしょう。偽らざる思いです。