我が福岡県選出の松本龍大臣が復興担当ということになりました。私が候補者の時代から現在に至るまで、お世話になった数々のことを思い出します。あまり口数は多くないのですが、いざという時にちょっとウィットの効いた、重みのある一言を放つ方です。国会を離れると、映画、ジャズの話に花が咲く洒脱な方でもあります。


 「3/11以降、民主党も、自民党も、公明党も嫌いだ」、龍大臣らしいなと思いました。「政党間のゴタゴタをやる以前に眼前には被災地がある。もっと一体となってやろうじゃないか。」ということを変化球で言っているだけです。もっと言うと、所属している民主党、そして菅総理に対する強烈な警句だと私は受け取りました。なんで、この発言をあれこれ論って、撤回、謝罪みたいなことを野党は要求するのか、私は今一つ分かりません。「自民党も、公明党も嫌いだ」ではないのですから、そのメッセージの意図するところをもう少し汲んでもいいのではないかと思いました。


 あと、「自分の役目は責任を取ること。自分は屋上でタバコでも吸ってようかと思う。」といった発言を問題視する論調も見ました。これも相当な皮肉混じりですし、龍大臣らしいメッセージだと、私には思えました。いずれにせよ、国務大臣というのはそういうことでいいのです。大きな方向性をきちんと指示した後は、お役所をきちんと信頼して、後は節目で睨みを利かせるのが国務大臣の役割です。私が昨年10月に事業仕分けをやった際の蓮舫大臣から貰った指示は一つ、「信ずる通りにやって。あとは責任は取るから。」でした。同じことだと思います。


 復興担当大臣は政策面のみならず、現場でのオペレーションをも動かす権限を持つ大臣です。内閣府担当大臣によくありがちな「企画・調整」ではありません。今回の復興基本法の策定過程で、野党の御意見も入れながら、最終的には現場の縦割りを排除するために強い復興担当大臣の権限が定められました。


 大変な役目ではありますので、与党議員として素直にチーム・ドラゴンの歩みを支えたいと思います。本来、我々与党議員は大臣に対して「任せ、期待する」という姿勢を持つことが必要なのでしょう。最近、そういう気持ちが起こらない局面が幾つかあっただけに、尚更、チーム・ドラゴンに対してそういう感情が強く湧き起こります。