先月、こんな記事 を書きました。期待感を持ってはいましたが、結局、現時点で起きていることはこんな感じです。


○ 第二回投票ではウアタラ候補がかなりの差を付けて勝ったと思われる。

○ ただ、それを事前に察知したバグボ現大統領が結果の公表を徹底的に邪魔した。

○ バグボは最終的に自分に近い人間で占められている憲法評議会に自分の当選を宣言させ、しかも、勝手にバグボが就任宣誓をした。

○ これに対抗して、ウアタラも自分が大統領就任を宣誓した。


 もう泣けてきます。一番分かりやすいダメダメシナリオです。なお、フランスはウアタラ当選を認め、さっさとバグボは引けと言わんばかりの姿勢です。かつ、欧米諸国やアフリカ連合はウアタラ当選を認めているようです。ただ、狡猾なバグボが素直に引くとも思いません。かといって、ウアタラが大統領になっても南北対立は収まらないでしょう。


 内戦の臭いがまたしてきました。アフリカ連合は、前南アフリカ大統領のタボ・ムベキを特使として出しました。ムベキ特使の調停が上手くいくことを願うばかりです。何の根拠もないのですけど、最終的にはジンバブエでやったような解決方法が出てくるかもしれませんね(バグボ大統領、ウアタラ首相的なイメージ)。私はそれがいいとは思いませんが、それで内戦が防げるのであれば次善の策なのかもなという気がします。特に南北対立が激しくなっている中、どちらかが「勝ち過ぎる」のは良くないというのは事実です。


 地域間対立の強い国では「winner takes all」の原則を貫くと、大体ろくなことがありません。「勝ち過ぎない」選択肢をどのタイミングで提示できるか、ムベキ特使の力量に期待したいところです。できるだけフランスの介入なしに纏めるのがベストでしょう。(恐らく、バグボが嫌いで仕方がない)サルコジが圧力をかけるような事態は最悪です。


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