結果は皆様がよくご存じのとおりです。私が感じたことを包み隠さず書き連ねておきます。少し抽象的に書きますので、評価は各位にお任せいたします。


● 本当にジェットコースターだった

 それにしても、今の世論の動きの速さに翻弄されまくった1ヶ月弱でした。V字回復にも驚きましたが、最後の一週間は、肌で感じるくらいにドンドン下がっていきました。


● 政府・与党の発言

 政府・与党の発言は「実現する」ことを前提としたものと世間からは認識される、という当たり前のことを再認識しました。野党時代はある意味責任が軽いのですが、与党になると「口にしたことは実現が前提」ですから、それを踏まえた世論とのコミュニケーションが必要ということです。


● 口裏合わせの必要性

 その世論とのコミュニケーションにおいて、「ここまでは言うけど、ここから先は何があっても口を開かない」といった口裏合わせが出来ていないと不信感を招きます。これは政治の世界だけでなく、どの組織においても執行部メンバー毎に言うことが異なれば、それは大変なことです。

 役所というのは、その「口裏合わせ」のために膨大なエネルギーを注ぎます。「各省合議」と言われるものがそれです。あの役所の「口裏合わせ」のスタイルが行きすぎると縦割りと事勿れ主義になるのですが、かといって全くやらないと単なる無責任になります。


● 自分の発言を解説しなくてはならなくなったら負け

 自分の発言の内容を「あの時、ああ言ったのは、これこれこういう趣旨だ」と説明する時は、既にそのコミュニケーション戦には負けていると、私はいつも思っています。ここが役所とちょっと違うところで、役所は一言一句詰めまくったうえで、それぞれの言葉に特殊な意味合いを込めたりしますが、世論を相手にする我々政治家はそのアプローチではダメなのです。自分がどういう意図を持って話したか、ではなく、自分が話したことが相手にどう受け止められたかがすべてなのです。そこで後出し解説を入れる余地はなく、すべてが「ブレ」と受け止められるわけです。


● 「鬼門」は今回も「鬼門」だった

 ここはあれこれ言いません。1998年参議院議員選挙の橋本龍太郎総理の経験に学ぶべきところは多かった、そういうことです。


 あえて具体例を入れずに書きました。趣旨はご理解いただけるでしょう。