最近、党内での特別会計見直しチームで、とある特別会計を見直す班の主査(班長)をやっており、悩みが深いです。その特別会計の行っている事業は、私の選挙区には殆ど縁がない事業であり、ある意味非常に中立的な立場から物事を見ることができるわけですが、逆に言えば関わりの深い方からの厳しいご意見が良い勉強になっています。福岡9区という地域の地方代表という立場は常に大事にしていますが、その延長上にある国政全般を考える国会議員としての立場を強く意識しています。


 特別会計というのは、たしかに一般会計から切り離されていることに相応の理由があるわけです。役所に聞けば「何故、特別会計でなくてはならないのか?」ということについて延々と説明があるでしょう。ある同僚議員は「特別会計は、非常にいい制度だと思う。問題なのはそのガバナンスなのだ!」と喝破していました。たしかにそれは事実です。


 その一方で、特別な会計となっているが故の「緩さ」みたいなものがあるなと感じます。さすがに10年くらい前に塩川財務大臣が言ったような「母屋でお粥、ハナレですき焼き」というようなことはもうありませんが、一般会計とは違う現実がそこにあることは、現在の特別会計の財務諸表を見ていても感じます。古い話ですが、私の原体験には、10年前くらいに一般会計の枠で海外出張する私と、食管会計で出張する食糧庁の人との間に、ホテル、移動手段等で大きな差があったということがあります。何となく、特別会計のガバナンスに違和感を持っているわけです。外務省には特別会計はなかったので、その特別会計の人達の姿がとても印象に残っています。


 一般論として、特別会計であることの理由としては、(1) 収支を明確にする、(2) 特別会計が行う事業全体が負うリスクを明確にする、といった意味合いがあるのだなと感じます。これを一般会計に繰り込んでしまったら、収支関係は不明確になり、リスクは負えなくなり、ということになってはいけません。もっと言えば、例えば財政投融資特別会計や国債整理基金特別会計を仮に一般会計に繰りこんだら、すぐさま日本の国債管理は破綻するでしょう。


 内情を知れば知るほど悩みは深くなるばかりです。ただ、こういう悩みを国会議員が持つことは健全だと思いますね。極めて具体論のないエントリーですが、「特別会計=無駄遣い=悪」という図式ではなく、素直に、真直ぐに取り組んでいる国会議員がいることだけはご理解ください。