(下記のエントリーについては、うろ覚えで書いた部分等があり誤解を招くところがありました。猛省の上、訂正します。)



 北九州市と言えば生活保護、生活保護と言えば北九州市と言われるくらい、最近、このネタで自分の地元がよく全国版に取り上げられます。まあ、簡単に説明すると不正受給者を防ぐために厳しく当たっていたら(申請書を渡さない等)、本当に必要な人にまで厳しく当たってしまったということのようです。


 ただ、現実は生活保護受給者がタクシーで福祉事務所に来て、貰ったらそのままパチンコ屋に直行という人もいるんですね。月初めのパチンコ店には全快でハッスルしている恐らく生活保護受給者と思しき方を見ます。


 また、生活保護を受給するまでの手続の中には近親者から保護してもらえるならその可能性を追求するのが先ということになっています。しかし、扶養義務があり、財力もある程度ある近親者から支援が得られず、福祉事務所と近親者の間で板ばさみに遭っている方に最近お会いしました。「扶養義務のある親族が扶養を拒否した時、行政は税金を投じて生活保護を給付すべきか。」というテーマもここには入ってきます(なお、私は「そういうケースでは税金を投じなくていい」と言っているわけではありません。)。


 ところで生活保護が年間どれくらいの予算規模になるか、ご存知の方はいないでしょう。大体2兆5千億円です。被保護世帯は戦後漸減していたのですが、平成7年くらいで底を打ってしまい(60万世帯)、その後また増加して今は100万世帯(140万人)くらいです。まあ、人口のおよそ1%の人が生活保護を受給しているということです。


 興味深いのは地域によって生活保護率が全然異なることです。我が福岡は平成7年時点では全国1で16.4‰(パーミル)。平成15年では17.6‰、全国的に見ても引き続きトップ集団を走っています。


 平成15年のデータを見ていると、10‰(1%)を超えているのは北海道(22‰)、青森(14.5‰)、東京(14.1‰)、神奈川(10.3‰)、京都(17.3‰)、大阪(21.5‰)、兵庫(13‰)、奈良(10.2‰)、広島(10.4‰)、山口(10.2‰)、徳島(13‰)、高知(19.1‰)、福岡、長崎(13.6‰)、大分(12.1‰)、宮崎(10.6‰)、鹿児島(13.2‰)、沖縄(14.2‰)といった感じです。総じて都市圏での伸びが大きいようです。特に大阪府は赤丸付いて急上昇中です。


 逆に3‰(0.3%)を切るくらい保護率が少ないのは富山(2.1‰)、福井(2.6‰)、長野(2.9‰)です。「闇の富山方式」とか「闇の福井方式」といった言葉が全国版のTVで流れることはないので、これらの地方自治体において行政が申請者に厳しく接することで保護率抑制に努めているということはないでしょう。自然にやったらそういうことになったという理解でいいんだと思います。


 各地域の文化的事情(「世間の目」)もあるでしょうし、一概に比較しちゃいかんのでしょうが、北陸、中部では高齢者に対する相互扶助の文化が強いのかな、なんてことを思います。都市圏の自治体で保護率が高いのは、総論として近所付き合いが希薄だということが背景にあるんでしょう。


 ただ、その論理を貫くと、自分の住んでいる県が他人に世知辛い場所ということになりますね。あまりそうは思いたくありませんが・・・。