【結果】SHIMMER10・28イリノイ州 | 女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

【結果】SHIMMER10・28イリノイ州

『SHIMMER・51』
◆10月28日(現地時間)アメリカ・イリノイ州バーウインクラブ


▼30分1本勝負
 中川ともか(7分13秒/網打ち式原爆固め)ベーダ・スコット

女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

 中川の対戦相手・ベーダはデイジー・ヘイズ教室の教え子。デイジー・ヘイズとは中川とのタッグで昨年10月までSHIMMERタッグを保持していたパートナー。中川自身もデイジー教室に参加したことがあり、共通点のある相手。ベーダは10月7日『Joshi4Hope』参戦のため来日したばかりである。中川には容赦ないブーイングが飛ぶ中、自らの腰に巻いている腰ひもをはずしてチョーク攻撃に出たり、ベーダの顔面に水吹きするなど、いじめまくる。ベーダもセカンドロープからのラリアットや、チンクラッシャーなどを繰り出して反撃を試みるも後が続かず。その後、セカンドロープからのフライング・ボディアタックをかわしたところで、中川は延髄蹴りからロコモーション式のフィッシャーマンで勝負をかけて3カウントを奪った。試合後もブーイングが飛び交ったが中川は涼しい顔。ベーダに対しては「今日はいじめがいがある相手で楽しくできましたね」とコメントも涼しい顔で答えた。


▼30分1本勝負
 ルフィストー(9分21秒/片エビ固め)水波綾

女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

 試合前、リングアナが水波を「彼女のニックネームは“アニキ”です」と紹介すると、大「アニキ」コールが沸き起こる。「今回の遠征の目的のひとつが“アニキ”の名前を浸透させること」と公言していた水波にとっては念願かなった瞬間だった。まずは激しい殴り合いからスタート。これは水波の得意とする攻撃だけに一歩も引かずナックルを打ちまくる。続くタックル合戦でも互角の展開に。2発目のタックルで水波が倒れると、ルフィストーはすかさず背中へローキックを打ちまくる。しかし水波も負けてはいない。胸元へ来たローキックを捕らえると、スタンディングのヒールホールドに。攻めどころと判断した水波は、続いてコーナー・スピアーを連発。しかし2発目はかわされ、逆水平チョップを叩き込まれる。ルフィストーはさらにドラゴンスリーパーからサーフボードへ。ここで水波が切り返し、打撃で反撃。そしてショルダーバスタ-から低空ギロチンを連打。あまりの素早い動きにファンから驚嘆の声が上がる。その後両者のナックル合戦へと移行し、相打ちとなりダブルノックダウン。先に立ち上がったルフィストーがジャーマンを狙うもカウント2。さらにルフィストーが突っ込んできたところを水波はワキ固めで切り返す。さらにトップロープからのショルダータックルと勢いのある攻撃を続けていく。ここで水波はトップロープからのダイビングギロチンで勝負を決めにかかるも、これは間一髪ルフィストーがかわす。すかさずルフィストーは十八番のバーニングハンマーを繰り出すと、ついに水波が力尽きた。しかし試合後、ファンからは「アニキ」コールに包まれ、水波にとってはうれしい歓声となった。負けはしたものの、水波は満足げ。「ルフィストーはプロレスの先生で生徒に教えていると聞いていたので、海外のスタイルと目いっぱい戦えると思って全力でぶつかりました。自分にとっては大きな収穫になりました」と前を向いた。


▼30分1本勝負
 浜田文子(9分16秒/エビ固め)ポーシャ・ペレス

女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

 ポーシャは実力者・文子を前にしてなかなか戦う意志を見せない。なかなか組み合おうとしないポーシャをなんとか捕まえることに成功した文子はボディスラムを3連発。実力差を見せ付けるが、ポーシャもニー攻撃からコンプリートショットで反撃。それでも文子は余裕の表情。すぐさまトラースキックで試合を元の流れに戻す。ここで一気にムーンサルトで勝負をかけたがこれはカウント2で跳ね返される。ならばと、その場からのニールキックをはさみ、トップロープからのミサイルキック弾。そして、とどめとばかりにパワーボムを狙うも、ポーシャも高角度回転エビ固めで切り返す。それでも文子はあわてず冷静に対処し、カウント2で返すとポーシャを軽々と持ち上げてAPクロスでピンを奪った。


▼30分1本勝負
 桜花由美(13分11秒/猛虎原爆固め)ニコル・マヒューズ

女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

 大型同士によるシングル対決が実現。ニコルはポーシャと並び、現SHIMMERタッグ王者である。まずは桜花がコーナーに追いやり、顔面キックを放つ。さらにいまやアメリカへでの試合しか使わないサクラドロップ☆レインボーへ。しかし飛び込みざまを捕まえられると、ノーザンライトスープレックスを食らう。続くリバースDDTを一回転して切り替えした桜花は、サクラドロップ☆スーパーからドラゴンパンサーに。この後ラリアットを食らい、トップロープに上られるが、ランニングして突き上げ式の顔面キックで技を阻止。そして雪崩式ブレーンバスターで切って落とす。さらに追い込み式の顔面キックを打ち込み、最後はタイガースープレックスで投げ飛ばし、ついにニコルを打ち破った。何とか勝ったものの、なかなか桜花は立ち上がれず、その様子が苦戦を物語っていた。「いやー、なんとか勝ちましたけど、強いですね。さすがは現役のタッグチャンピオンでした。なんとか勝ててよかったです」と試合後は安どの表情を浮かべていた。


▼30分1本勝負
 華名(11分23秒/腕ひしぎ十字固め)アテナ

女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

 般若の面姿で登場した華名。まずはグラウンドの展開からローキックで翻弄。そしてヒップアタックからショルダーネックブリーカー。さらにはスライディングキックから背中へのローキックへとつなぎ、華名スタイルを存分に見せ付ける。アテナもコルバタで反撃を開始、背中へのキックで対抗する。これに対して華名はワキ固めで相手のスタミナを奪いにいく。コーナーへ逃れたアテナにストンピングの雨を降らせる華名にレフェリーが静止にかかるが、「やかましいんじゃボケ!」と一喝する。アテナもランニングのキックからバク転しながらのコーナーキック、さらには側転してのニーと連続攻撃。しかしセカンドロープからの攻撃をキックで迎撃した華名は、投げっぱなしジャーマンから腕ひしぎへ。さらにロシアンフックを狙っていくが至近距離からのドロップキックでやり返される。その後ともに両ヒザをついた状態で殴り合い、先に立ち上がったアテナが旋回式のサイドバスターを見せる。しかし、アテナは次の一手を狙ったところでスキが生まれ、すかさず華名が腕ひしぎに切って取ってギブアップを奪った。


▼SHIMMERSチャンピオンシップ4WAYマッチ・時間無制限
 サラヤ・ナイト(24分44秒/変形サーフボード)ケリー・スケーター
※サラヤが王座防衛に成功。あとの2人は松本浩代とミスシェフ

女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

 サラヤ・ナイトの所持するSHIMMERシングルタイトルの挑戦者にミスシェフ、ケリー、そして松本が名乗りを上げたことで、4WAYマッチによるタイトルマッチが開催されることになった。SHIMMER版の4WAYマッチはシングルと同じように1対1で戦い、残りの2選手はコーナーへ控える。リング上の選手はどちらとタッチしても可能であり、王者が最後まで残るか、挑戦者の誰かが王者を倒したところで試合終了となる。試合前に挑戦者たちの名前が館内にアナウンスされると、松本のところでひと際高い歓声が上がり、「ヒロヨ、デストロイ!」の掛け声が爆発した。松本人気はさらなる上昇を見せている。入場時、昨日に引き続き、またもゴジラマスクで登場した松本に館内からは「ゴジラ」コールで後押し。松本の戴冠を願うファンの期待感が伝わってくる。ゴングと同時に松本、ミスシェフ、ケリーがサラヤに対して奇襲攻撃をかける。まずは3人でコーナーへ押し込み、代わる代わるタックルを仕掛けていく。ここでケリーとミスシェフがコーナーへ下がり、サラヤと松本の対決に。松本は旋回式のサイドバスターからケリーを呼び込んでのおんぶ式ニーを決める。そして再びサラヤをコーナーへ押し込むと、自らのお尻でぐいぐいと顔面に当てていく。今度はリング中央に引きずり込むと逆エビ固め、サラヤの左右にはケリーとミスシェフがアシストし、体を浮かせてダメージを倍増させる。さすがの王者・サラヤも場外へエスケープ。ここでサラヤはミスシェフにタッチしたため、松本とミスシェフによる対戦へ。松本はミスシェフの奇声に苦しむ場面があったものの、ケリーも出てきたところを二人まとめてのバックドロップでケリーがカットできなくした状態で、ミスシェフにとどめのバックドロップ。まずはミスシェフを料理した。王者が負けない限りは試合は続行されるこのルール、今度は3WAYによる戦いとなるが、ケリーVS松本の絡みへ。松本がタックルから逆エビ固め。ケリーを追い詰めたが、ここでサラヤにタッチを許してしまい、松本VSサラヤの対戦にチェンジ。松本はエプロン上でのスタナーから、コーナースプラッシュニーを決めてサラヤを追い込みベルトまであと一歩にこぎつけたが、ここでケリーにタッチするスキを与えてしまい、再び松本VSケリーに。松本はローリングエルボーでケリーにダメージを与えるがここでコーナーに控えていたサラヤが松本の課意味を引っ張る。松本がサラヤに気を取られているスキにケリーがスクールボーイ。なんとか2カウントで返した松本だが続けてケリー・オア・デッドを決められると返すことができず。ここで松本も無念の敗退となった。試合はサラヤがグラウンド式の変形サーフボードを決めて王座防衛に成功した。

『SHIMMER・52』
◆10月28日(現地時間)アメリカ・イリノイ州バーウインクラブ


▼30分1本勝負
 ケリー・スケーター&○中川ともか(8分46秒/120パーセントスクールボーイ)ミスシェフ&●クリスティーナ・フォン・エリー

女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

 ケリーが先に一人で入場し、「私の正式なパートナーを紹介する。それは日本で何度も組んだことのある中川ともかです」と言って中川を呼び込む。中川はケリーとおそろいの帽子&Tシャツを着て登場した。ケリー&中川は日本での「Joshi4Hope」大会で2回タッグを組んだことのある間柄。この度、チーム名を「グローバル・グリーン・ギャングスターズ」、すなわち『3G』としたことを表明した。まずはケリー&中川がミスシェフを奇襲攻撃。さらに中川が目つきからの顔面つぶし。これに対してミスシェフは奇声を上げて耳をつぶしにかかる。苦しむ中川にケリーが即座に救出するなど3Gは抜群のチームプレーぶりを発揮。さらに中川が寝転がって剣山の体勢にいるところへケリーがトップロープからエリーの頭を持っていく。そして、ケリーが中川を抱えあげると、エリーにボディプレスを決め、次々と息の合ったプレーを見せる。最後は中川が水を噴き、エリーがひるんだところを120パーセントスクールボーイに入り3カウント。3Gを大いにアピールした。中川は「ケリーがヒールと思ってたらベビーで、自分がヒールのスタイルでいこうとしたらいろいろと止められてびっくりしました。今はまだチグハグですが、もっと回数を増やしていいチームになるようにこれからも組んでいきたいです」と3Gの今後の課題を挙げた。


▼30分1本勝負
 桜花由美(10分8秒/エビ固め)水波綾

女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

 SHIMMERマットでWAVE所属選手同士による対決が実現。まずは水波の入場時に「アニキ」コールが起きる。水波もハイタッチで呼応。ここに来てアメリカの水にも馴染んできたようだ。がっちり握手をかわした両者に対して「ユミ・オウカ」コールと「アニキ」コールが交差する。まずは桜花が顔面キックで先制すると、場内からは「ワンスモア」コールが起きる。気をよくした桜花は、もう一発顔面キックを放ちリクエストに応えた。しかし水波もやらっれ放しではいない。スピアーから中腰になった桜花めがけてギロチンと、スピード全開に攻め立てる。しかし2発目のスピアーは誤爆となり、逆にブラディーEXを放たれる。ロープに逃れた水波は体を入れ替えると、ショルダーバスターへ。そしてスピードを乗せたギロチンを連発し、3発めはジャンプ力を加えて敢行した。しかし、続くスピアーを再び自爆させた桜花は日本ではもはや見せることのないサクラドロップ☆レインボーを決める。さらにサンマドロップ3連発で、「秋のサンマ祭りINシカゴ」(桜花命名)を開催する。しかし続く顔面キックは空を切り、ここで水波は裏投げへ。さらに水波コースターにつなぎ、フィニッシュとしてダイビングギロチンを狙ったがこれは自爆に。ここで桜花は顔面キックからタイガースープレックスへとつないで、大熱戦に終止符を打った。桜花は「水波の成長を感じました。ギロチンで首がもげるかと思いましたよ。今回、これがSHIMMER最後の試合だったので、思い残すことのない試合ができました。楽しかったです」と振り返れば、水波は「桜花さんとはWAVEで一回も当たったことがなくて、前回はジャガーさん興行で当、今回はSHIMMERと、何かそういう巡りあわせなのかなあと思います。この試合でアメリカのファンに『これがWAVEだ!』というものを見せられたと思います」とコメントした。


▼30分1本勝負
 松本浩代(10分18秒/片エビ固め)コートニー・ラッシュ

女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

 松本の今ツアー最終試合も期待にこたえてゴジラでの登場となった。いまや日本人女子のなかでもっとも支持率の高いといってもいい松本は「ヒロヨ、デストロイ!」のコールだけでなく、「ゴジラ」コールまで加わり、ファンも大忙し。コーナーにゴジラマスクを添えての試合開始となるも、即座にコートニーが奪い、松本にかぶせてマウントパンチ。どうやら精巧にできているぶん目元が小さく、かぶると周りがほとんど見えないシロモノらしい。コートニーはこれでペースをつかんでいき、雪崩式ブレーンバスターを狙うが松本はこれをこらえ、さらにはコートニーを持ち上げて場外に投げようとする。必死にこらえたコートニーだが、松本はこのスキにトップロープを降りる。そしてコートニーを股の下から抱えると、パワーボムで投げ捨てる。さらにローリング式のエルボーからのバックドロップで豪快にピンフォールを奪った。松本はコートニーにゴジラマスクをかぶせ先に退場。コートニーは前が見えない状態で手探りのままリングを後にした。


▼30分1本勝負
 浜田文子(21分18秒/体固め)アテナ

女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

 今シーズンのSHIMMERで最高峰の戦いを繰り広げているアテナに悲劇が襲った。序盤は静かな立ち上がり、文子の関節技に対しても引くことなく、一進一退の攻防を繰り広げるアテナ。20分すぎまでは互角の攻防を見せていた両者だが、文子がスピンキックからの浜ちゃんカッターで一気に攻め立てる。アテナはカウント2で返してタフネスぶりを発揮。ここで文子のトラースキックを交わしたアテナがトップロープに上り、ダブルニードロップを狙う。文子は間一髪これを逃れ自爆させると、アテナが苦しみだす。どうやら、右ひざを痛打してしまい、怪我をした模様。ひざを抱えながら痛みに耐えるアテナだが、戦う意志は捨てず、向かっていこうとする。文子はダメ押しでムーンサルト弾を炸裂させるとアテナに返す力は残っていなかった。試合後、寝転びながらマイクを持ったアテナは「この試合で怪我をして負けてしまったけど、浜田とはもっともっといい試合ができる。だから、次のSHIMMERで自分は怪我を治してもう一度、戦いたい。そのときはすばらしい戦いをしよう!」とアピール。英語があまり得意でない文子は、取材に来ていたリングサイドの日本人カメラマンに英訳を頼み、ようやくその内容を把握した。そして次の瞬間、「OK!」と言ってアテナの手を握り締めた。この二人なら、名勝負を作ることができる。SHIMMERファンは二人の戦いを楽しみに待っている。


女子プロレス専門誌『RINGSTARS』