【結果】SHIMMER10・1シカゴ夜 | 女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

【結果】SHIMMER10・1シカゴ夜

『SHIMMER42』
◆10月1日(土)アメリカ・イリノイ州シカゴ・バーウインクラブ

 
▼30分1本勝負
 〇メナ・リベラ&メラニー・クルーズ(6分33秒/サモアンドロップ→体固め)ヘイリー・ヘイトレッド&●カラミティ
 
 SHIMMER41でリベラ&クルーズに急襲されたヘイリーは、対戦相手だったカラミティと組みリベンジを決意。まずはヘイリーがクルーズと強烈なナックル合戦で感情をぶつけ合う。巨漢同士の打撃戦にファンもヒートアップ。クルーズをダウンさせると、スライディング式のキックを見舞い圧倒していく。続くリベラにもチョップ合戦から、ナックルへ、リベラをコーナーへ追い込み、低空のキックを決める。しかし、ヘイリー旋風を警戒したか、リベラとクルーズは攻撃目標をカラミティに変更。連携による攻撃を続けざまに決めていき、ヘイリーの出番はなくなり、カラミティがフォールを奪われた。2戦目はパートナーが敗れて連勝とはならなかった。そして、世界中から標的にされる王者の宿命浮き彫りになったといってもいい。ヘイリーの世界進出には多くの敵が待ち構えている。
 
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▼30分1本勝負
 華名(胴絞めチキンウィングスリーパー)セーラ・デル・レイ

 
 鮮烈なアメリカデビューから5時間後。華名はセミファイナルに登場。相手はSHIMMERのトップヒールであるセーラ・デル・レイ。SHIMMERでの実績でも体格でも勝るセーラに対する華名に、1試合目以上の注目と歓声が注がれる。試合はグラウンドの攻防から立ち上がった。華名が押すが、日本のスタイルを熟知するセーラもこれに対応。セーラが華名を場外へ放り出すも、華名はすぐにリングイン。上がってきた華名のバックをセーラがとるが、華名はこれを膝十字に切り返す。華名のサブミッションにたまらずロープにエスケープしたセーラは、華名をコーナーにふるが、華名はコーナー2段目からのミサイルキックでカウンターに切って返す。華名がロープに振る所をセーラが蹴り、ロープに反動へ行く所を華名が追っかけてヒップアタック。その後、両者エルボー合戦から、セーラのブックブーツ、華名の裏拳が交錯しダブルダウン。立ち上がってきた両者が更にエルボーを打ち合うが、セーラがやや優勢になったところで、華名がロシアンフックとハイキックで盛り返しフォールを狙うもカウント2。ここで息を吹き返したセーラが、華名の腹にニーを打ち込み、ハイキック、かかと落としとつなぐも、3カウントは奪えず。更にセーラはローリングキック、スープレックス、バックエルボー、ハイキックと畳み掛けるが、タイミングを読まれた華名にすかされ、逆にハイキック、回し蹴り、ロシアンフック、側頭部への蹴り、スピンキックのラッシュを浴びる。とどめとばかりに華名がチキンウィングフェイスロックを仕掛けるが、セーラがこれを切り返しバックに回ってジャーマンスープレックス。しかし、これを冷静に読んでいた華名がブリッジしているセーラの腕を取り、チキンウィングアームロックへ。セーラは力にものを言わせて立ち上がり、ロープに逃げようとするが、華名が胴絞めチキンウィングスリーパーに移行しグラウンドに引きずり込む。セーラの様子をチェックしたレフェリーはすぐに両手を頭上で交差し、華名のKO勝ちを宣した。試合終了のゴングと同時に、会場からはこの日最大の“This is awesome!”コールが沸き起こり、華名の退場後も鳴り止むことがなかった。
 
 華名「今回、初めてアメリカに来たわけですが、是非来て欲しいと望まれるカタチで来られた事に非常に意味があると思います。初日の初戦はミアイム、そして、2試合目はセーラ・デル・レイとのシングル2試合でした。ミアイムは以前よりツイッターなどを通して、私を尊敬しているという事を聞き及んでいましたので、アメリカのオープニングマッチとして相応しかったと思います。2試合目は、SHIMMERではトップの一人サラとの試合でした。セーラとは以前同僚でしたが、それはお互いにとってはそれ程重要な問題ではありません。なぜなら、それ以後全く違う道をそれぞれが歩み、それぞれのやり方でトッププレーヤーとなってからの再会でしたので、今の技術と互いの立ち位置で対峙した事の方が重要です。今回は、私が2試合とも関節技で勝利しましたが、やはりアメリカ人は筋肉の質が違うので、日本人とはパワーが違います。次はメリッサ、イーグルスとトップ選手の試合が続きますが、私は日本と変わらず媚びない試合スタイルで価値を勝ち取ろうと思います」
 
▼4WAYマッチ30分1本勝負
 中川ともか(168%スクールボーイ)ケリー・スケーター
※他の2人はルフィスト、ミスシェフ
 
 4選手がそれぞれのコーナーに分かれて入場でのスタートとなった4WAYマッチ。まずはルフィストが1人1人をコーナーに振って主導権を握る。中川も巧みにルフィストと合体して2人がかりで攻撃。しかし、ルフィストが中川に攻撃目標を変えてアバランシュ・キャプチャースープレックスを放つと、ミスシェフがその場飛びのムーンサルトを敢行して追い詰める。絶対絶命の中川をケリーが救出すると、今度は2人が味方同士に。ケリーが中川をもちあげてドロップキックを決め、さらに体を大きく上空にあげ、合体のボディプレス。ここで、ルフィストがトップロープからのボディアタックを見せると、中川が延髄蹴りでやり返す。ケリーのことも裏切りフィッシャーマンで投げる。その後、三者がもみ合う間にダウンしたと見せかけ、場外エスケープした中川が隙をついてケリーにアメリカでは必ずと言っていいほど見せる水の噴射攻撃で、戦意を喪失させ、168%スクールボーイでフィニッシュを奪った。
 
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▼30分1本勝負
 桜花由美(10分23秒/ネックハンギングボム→エビ固め)コートニー・ラッシュ
 
 昼間とは違って、黒とシルバーを基調としたコスチュームで登場の桜花。観客は「桜花」コールで迎え入れ、本人の心配は余所に完全なベビー状態。まずは桜花がパンチからエルボーアタックで先制。ラッシュもラリアットからフィッシャーマンで文字通りラッシュをかけるもカウントは2。桜花はラッシュをコーナーに振るとお得意の顔面キック攻撃。そして突き上げ式の顔面キックへとつなぎ、容赦のない攻めを見せる。続いてトップロープからのサンマドロップ(フライングボディーアタック)。ブラディーEXでスタミナを奪った後はエプロンからさくらドロップ☆スーパー。ラッシュもエルボーからブレーンバスター、さらにはラリアットからフライングネックブリーカーの反撃に転じるが、流れを変えるため、桜花は顔面キック一発。これで意気消沈したラッシュはネックハンギングボムで沈んだ。
 
 嬉しいアメリカ初勝利をあげた桜花は「めちゃめちゃうれしい1勝です。お客さんもベビーで迎え入れてくれるし、独特の一体感を感じしました。この勢いのままもっともっと最後まで突っ走りたいです」と笑みがこぼれた。
 
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▼SHIMMERタッグ選手権試合30分1本勝負
 ○浜田文子&栗原あゆみ(11分43秒/ライガーボム→エビ固め)サラヤ・ナイト&●ブリタニー・ナイト
※王者組が初防衛に成功。
 
 昼の部で新王者となった文子&あゆみ組はベルトを誇示しながら入場。一方、挑戦者組のサラヤ、ブリタリーのナイト親子は最初から及び腰で、文子が先陣を切ろうとジャンプしているだけで、ブリタニーは母・サラヤの影に隠れる。仕方なくサラヤが先発を買うも、野次る観客に言い返すばかりで全く文子と当たろうとしない。文子はマット上で大の字に転がるポーズ。それでも何もしないサラヤ。ようやく文子が向かっていき、サラヤを捕まえると、エルボーからボディスラムを2連発。四つん這いになりながら娘へタッチに行くサラヤ。ブリタニーは恐る恐るリングイン。文子がむかうだけで場外エスケープ状態だ。文子がシビレを切らせてバックドロップ、ここでようやく栗原にタッチすると、栗原はドロップキックの3連発。文子は栗原をホイップすると、ランニングのニー攻撃。さらには文子もキックで続く。栗原はミサイルキックで文子の攻めを迎撃し、試合は一方的な王者チームのペース。文子がブリタニーを逆片エビに取ると栗原がすかさずサラヤをカット。余裕しゃくしゃくの文子はここで、ライガーボムを繰り出してカウント3。全く危なげない戦いで、王者組が初防衛を果たした。
 
 栗原は「どういう形であれ、これで初防衛できて嬉しいです。文子さんとベルトを取ったことだから、もっともっとアメリカに来るたび防衛し続けたいです」と語り、文子は「今日は挑戦者があれだったけど、あゆみも強いから負ける気はしないタッグというのかな。今までずっとあゆみとは戦ってきたから、これからは組んでチームの色をだしていきたい」と応えた。
 
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▼SHIMMER女子選手権試合30分1本勝負
 マジソン・イーグル(16分21秒/ヘルズバウンド→体固め)松本浩代
※王者が防衛に成功。
 
 松本は昼の大会でセリーナを下して王者となっているマジソンという絶対王者の壁に、渡米前から決意していた挑戦権を手にすることができて気合十分の表情だ。館内は「ヒロヨ、デストローイ!」の声が充満し、松本を後押し。スタートは両者足の蹴り合いから。その後、タックル合戦となり、さすがの破壊女王もマジソンにはのけぞる場面も。それでも倒れることなく、ついに3発目でマジソンを場外に落とす。勝負は場外戦へともつれこむ。松本は鉄柵を乗り越えて会場の壁にまでマジソンを連れて行き、その場へ立たせると、自ら助走を取っての破壊タックル一撃。さすがのマジソンもダウンだ。松本はリングアウトぎりぎりに戻ってきたマジソンにチョップを連打。そしてドロップキック。馬乗になってフォールへ。しかし、マジソンはパワーで体を入れかえ反撃へ。ワキ固めで腕への攻撃に目標を絞り込む。そして、腕ひしぎ。松本もロープの反動を利用してのスパインバスターで反撃をするが、すぐさまマジソンがペースを握り返して、再び後頭部をストンピング攻撃。そしてロープを使ってのチョークへ。松本も負けてはいられない。コーナーキックを振り払うと、マジソンの頭をマットに叩きつける。そしてコーナースプラッシュからミサイルキック、さらには東海道落としを狙うが、これはスクールボーイで切り返される。マジソンは垂直落下のブレーンバスターで勝負。カウント2で返した松本は串刺し式のタックルでやり返すが、すぐさま顔面キックで退けられる。それでもローリングエルボーを打ち込んで追い込むが、長い足から繰り出されるキックを放たれ両者ダウン。タックルに行ったマジソンがコーナーまで押し込んで、そのままトップロープににあげるが、松本は体を入れ替え雪崩式のパワーボム。勝機が見えた松本は、一気に畳み掛けようとするも、ここで顔面キックを決められ必殺ヘルズバウンドの態勢へ。これはスクールボーイでかわしたが、再び顔面キックで動きを止められると、ヘルズバウンドで痛恨のカウント3を聞いた。
 
 負けはしたが大善戦の内容。観客も「ヒロヨ」コールで松本をたたえた。試合後の松本は「負けましたけど、今日アメリカ遠征の目的であるSHIMMERのベルトにも挑戦することができたし、これで終わりではなく、またゼロからスタートです」と前を向いた。

 

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