春日萌花「殺したい」と脅迫された心境を語る/インタビュー | 女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

春日萌花「殺したい」と脅迫された心境を語る/インタビュー

女子プロレス専門誌『RINGSTARS』  春日萌花へ「殺したい」などのメールを送り、脅迫した疑いで大阪府泉大津市の無職男性の容疑者(34)が9日、都筑署に逮捕された。11日、春日が心境を語った。
 
 
 「2009年11月1日に新宿で開催されたWAVEのファンクラブイベントでトラブルがありまして、それ以降メールの内容が変わったんです。メール自体はそれまでも1日1通は届いていたんですが、その日から内容が『裏切られた』『ひどい』に変わって、それからどんどん『殺意を覚える』『殺したい』『殺さなきゃダメなのかな』みたいにエスカレートしていって。実際、そのメールを見た時に『やばい、実際に刺されるかも』と思って、怖いなって思っていたんです。私が精神的に追いつめられるようなメールがずっと来ていて、3カ月後にもう耐えるのは無理ってなりました」。
 
 --怖いですね。
 「2009年11月にメールが来るようになってからは、試合会場に行くまでとか、怖いなぁって周りを警戒して外を歩いてましたね」。
 
 --3カ月間は誰にも相談しなかったんですか?
 「団体の人やマネジャーに言ってしまえば、彼は簡単に出入り禁止になってしまうし、かわいそうだなって思って3カ月は耐えてきたんですけど、改善する気配もないし、自分ももう耐えるのは無理だったので『彼の言葉は見たくない』ってスタッフに報告しました。その時に(ラジオ番組投稿用アドレスへの)メールの送信、ブログへのコメントを書かないという約束をしたんです。それが2010年2月ですね。そしたら、しばらくして彼がブログを開設して、そこでメールと同じようなことを書いていたんです」。
 
 --春日選手の名前を出して?
 「それが名前は出さずにでした。確信犯ですよね」。
 
 --春日選手へのメールやコメントは止まったんですね?
 「はい。でも、彼のブログの内容はどんどんエスカレートして、私のコスチュームを着た女性をメッタ刺しにしている絵とか。もう怖いなって思いまして、今年1月4日に関係者が会場に来ていた本人に話をしてくれたんです。いろんなことを注意してくれたらしいんですけど、そこからおかしくなってしまって、私の周りの関係者にまで『死ね』『死ね』『死ね』ってメールを送るようになりました。関係者へのメールの方が内容はひどかったですね。私のメールは(通算で)500通くらいでしたけど、関係者へは一日だけで500通とかで、全部で6800通くらいありました」。
 
 --では、警察への相談は止むを得ないことだったんですね。
 「何回も私からメールで注意したこともあって『やめてください。あなたの言ってることは間違えてる』と言ったんですけど、伝わらなかったんですよね。結局『誰かが春日を演じているんだろ』って本人と信じてもらえなくて。『傷つけているんだよ』って言ったんですけど…。ラジオの投稿でいろんなことを送ってくれていた人なんですよ。11月以前は普通の内容で。もちろん売店で接することもあったし、どんな人かも知っていました。だから、お家が大変なことや経済的に苦しいっていうのも知っていたので迷ったんですが、わかってもらうにはこういう形しかないのかなって」。
 
 --今回のことが再発防止になればいいですね。
 「こういう事件やこういうことは収まってほしいなって思ってスタッフと相談しました。最初は自分の中で留めようと思って、それもダメで会社で話し合って対応してもらってもダメで、最終的に警察の方に相談ってなったので。こういうことがなくなるのを望んでいます」。
 
 
【経緯】
 
 今回立件されたのは昨年2月3日、7日に送られた「殺したい」などのメールによる脅迫の疑い。その他にも容疑者は自身のブログで昨年12月に行われたイベントをターゲットに脅迫めいた内容を書いていた。関係者は警備を増員するなど対応し、今年1月3日に警察本部に相談。1月4日のWAVE新宿大会では直接容疑者と話をした。1月8日に上申書に経緯を書いて警察に提出し、1月中旬には春日も一緒に都筑署へ行き事情を説明している。ストーカー容疑だったが、悪質ということで刑事課が動くことに。関係者はその前からも内容証明を送るなど、相手を逆上させないように時間をかけて対応してきたが「お客様の行き過ぎで済ませようとしたが、限度を超えたため」と今回の行動となった。容疑者は他のアイドルレスラーのブログやツイッターにもメッセージを書いており、危険が広がる可能性を危惧した春日ら関係者は、他団体や選手らにも注意を促していた。「他の選手に行く前に解決できてよかった」と安堵の表情を見せたが、今回は他の選手、女子プロレス界を守るための決断だった。