なぜ材料をまとめて仕入れないの?? | 【金属アレルギー専門】TOKYO DIAMOND 代官山指輪工房

【金属アレルギー専門】TOKYO DIAMOND 代官山指輪工房

 金属アレルギーでも美しい結婚指輪を着けたい!
 そんな方の為に、9種類の素材から選べるオーダーメイドリングをお作りしています。

いつも、いいお客さんの囲まれて、本当にありがたいです。

あいさつ動画も撮ってみました!
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代官山工房では、材料費が高い金属を使っており、円安がどんどん進むことによって輸入している材料費が高くなっているため、次のような流れで制作をいたしております。
 
【制作手順】
1.デザイン・仕様の決定
2.見積算出
3.ご注文の確定(ご入金をもって)
4.材料発注
5.削り出し
6.文字入れ
7.完成(ご注文確定から3.5ヶ月)
 
 
ご注文の都度、材料を発注しているので、
 
「なぜ、円安が進んでいるのに、材料をまとめて仕入れないのか?」
 
という、ご質問をいただくこともあります。
 
 
ですので、今日は、そのことについてお話させていただきたいと思います。
 
 
 
材料をまとめて仕入れない理由は2つあります。
 
1.「在庫は悪」という経営方針
 
2.ボトルネックである生産能力の徹底活用
 
 
これだけを聞いて、「あっ!トヨタの看板方式の応用だね」と気がついた方は、勘がとてもいいと思います。(ちょっとエラソーな言い方でスミマセン。。)
 
この考え方は、幸せなものづくりを継続するための、とても大事な幸せな仕組みの話ですので、ちょっと詳しく話してゆきたいと思います。
 
 
在庫は資産なのか?それとも悪?
 
一般的なバランスシート上では、在庫は「資産」として計上されます。
 
それで、安い内にたくさん仕入れたり、たくさん仕入れたら安くなるという理由で、在庫をたくさん抱えることをよしとする考え方があります。
 
しかも在庫は、販売を行なえば現金に替わる「資産」ということで、バランスシート上でも資産だと位置づけられているために在庫の害悪が意識されることは、あまりありません。
 
そして、安く仕入れることで利益率が上がるので、一見いいことのように見えます。
 
しかし、在庫を抱えることによって
 
・キャッシュフローの悪化
・在庫管理コストの増大
・棚卸しなどの、業務の煩雑化
・そして、最大の害悪は数字上よく見えることで経営を見誤ること
 
という害悪を抱えることになります。
 
それで、トヨタの看板方式では、「製造の流れを阻害しない最小の在庫量を規定する」ことが最重要だった訳ですね。
 
詳しくは、こちらなどを読むと、より分かりやすいと思います。
→ http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478006008/
 
特に在庫の害悪のうち、当方のような小規模の経営では、キャッシュフローの悪化は、深刻な問題です。
 
例えば当方では、2015年8月現在、49ペアを同時進行で制作していますが、このご注文をまかなう在庫を常に抱えるとすると恐ろしいことになります。注文を増やせば増やすほど(もしくは受注量に相応の在庫を増やせば増やすほど)、経営が大変になってゆくわけです。
 
 
 
唯一のボトルネックにのみ集中する。
 
それで、トヨタの看板方式にならって、「製造の流れを阻害しない最小の在庫量を規定する」にはどうするのか、ということになります。
 
現在、僕と職人2人の3人体制で指輪の制作を行なっていますが、月間11~13組の制作が限界で、それ以上は制作できない状況にあります。つまり制作の手が足らない状況。
 
この生産能力(=制作を行なう手の数)が唯一のボトルネックで、例えば材料の在庫を増やしても制作の手が足らない状況を解決することはないし、逆に在庫ゼロでも制作スピードを阻害しないことが分かってきました。
 
つまり、ご注文をいただいてから材料を手配して制作を行なっていても(=在庫がゼロだとしても)、材料が届くまでの間に他のご注文の制作の手が止まらず動いているので、常に制作の手がフル稼働される状態がキープされるというわけです。

在庫を増やしても、ボトルネックの稼働には影響しない、ということ。
 
だから、「製造の流れを阻害しない最小の在庫量はゼロ」という結論です。
 
(実際には、失敗や突発的なトラブルを考慮して、材料の在庫は、「予備材料」という形でごくわずかに用意はしています。)
 
 
 
じゃあ、職人を増やせばいいのか?
 
これは、次の課題ですね。

順番としては、

1.ボトルネックを徹底活用する
2.ボトルネックを広げる

の順ですから(この順番付けも非常に秀逸な考え方ですね。ともすれば、忙しければまず人を増やすことを考えるけれど、そうではなくてボトルネックがフル稼働するように仕組みを整えるほうが先!)ボトルネックを広げるということは職人を増やすということです。
 
スペースの問題もあるし、人が育つまでには時間がかかるということもあります。人の管理なんてあまりしたくないですしね。そして、もちろん人件費をまかなうために指輪の価格に乗せなければならなかったり。
 
ですので、今は月間の制作数の限界を13組に限定し、それを超える場合は納期を伸ばすことで対応させていただいております。
 
こうすれば、お早めにご注文いただくように促すだけで、誰にも迷惑をかけないし、価格を上乗せするようなこともしなくてもいい。
 
ちゃんと「今はご注文から3.5ヶ月がかかります」のようにお伝えして、その約束は必ず守るようにさせていただいております。
 
また、挙式日程が迫っているなどの急ぎの場合は、制作中の途中段階で仮納品をするなどをして、対応をさせていただいております。
 
 
 
以上が、材料をまとめて仕入れない理由です。
 
原価率を下げること(=利益率を増やすこと)よりも、在庫を持たないメリットのほうが大きいというお話でした。
 
 
こうすることによって、お客さんにも喜んでいただけるのはもちろんのこと、職人に無理を強いることもないし、僕も精一杯(そして、楽しんで)制作をさせていただきつつ、子どもや妻と一緒に過ごす時間も大事にできる(笑)。
 
幸せな結婚に関わる仕事だから、幸せな仕組みが大事だと思い、そんなお話を今日はお伝えさせていただきました。




金属アレルギーにならない結婚指輪
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*土曜日・日曜日・祝日は、予約枠が埋まりやすいので、お早めにご連絡ください。

*月間の制作数は13組が限界です。そのため現在、ご注文から完成まで3.5ヶ月をいただいておりますので、
お早めにご連絡ください。

ご来店いただかなくても、メールのやり取りだけで遠方からでも、ご注文可能です。お気軽にお問い合わせください。




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