今日は木目金(もくめがね)の専門的なお話です。
ホワイトゴールドとイエローゴールドの木目金(もくめがね)を作ることは、銀と銅の木目金を作ることよりも、じつは、ずっと簡単です。
*ホワイトゴールドは、金58%、パラジウム42%
イエローゴールドは、金92.5%、銀3.75%、銅3.75%
の合金です。
こちらは、ホワイトゴールドとイエローゴールドの木目金。
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木目模様を削り出す、前の段階です。
リング側面に、交互に積層したホワイトゴールドとイエローゴールドが見えると思います。
それでは、なぜ、ホワイトゴールドやイエローゴールドをはじめとした貴金属の木目金の制作の方が、銀と銅の木目金の制作よりも簡単か?というと、
それは、
●貴金属の方が熱によって、酸化皮膜の形成が起こりにくく接合欠陥が少ないこと。
●展延性が良く、接合後の鍛造加工のトラブルが少ないこと。
●もし接合欠陥があっても、炙って熔かすだけで、容易に修復できること。
●ホワイトゴールドとイエローゴールドでは、融点の差が300℃ほどあり、一緒に熔けてしまわないこと。
(銀と銅は融点の差が150℃ほどで、かつ共晶によって、互いが触れているところでは、800度以下まで融点が下がって、あっという間に木目ではなくて、混ざり合った合金になってしまいます。)
など、簡単な理由はいくらでも挙げられます。
逆に、貴金属を扱ってみると、いかに銀と銅の木目金制作が、他に比べて難しいか、ということも実感すると思います。
つまり、ホワイトゴールドとイエローゴールドの木目金の作り方は、実に簡単。
それぞれの板を交互に重ねて固定し、片方の金属(融点が低い方)が熔けるまで炎で炙って、加熱するだけ、で出来ます。
接合ができたら、あとは、銀×銅の木目金と同様に叩いて伸ばして、模様を削り出せば、木目模様が完成です。
とはいえ、貴金属を扱うとなると、銀や銅のような、安い素材を扱うのとは違って、失敗すると金銭的に痛いですし(材料価格でいうと90倍以上)、高価な材料を扱う恐怖もあるでしょうから、
もし、ホワイトゴールドやイエローゴールドなどの貴金属の木目金を自分で作りたいかたは、高価な貴金属の扱い方を、基礎から学べる、こちらをご覧いただくと、いいと思います。
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『金のジュエリー』ワークショップ
http://ringology.org/grape4/
貴金属の扱いの基礎を学んだ上で、ご相談いただければ、貴金属の木目金の作り方も無償でお教え致します。(というか銀×銅と同じ)
ホワイトゴールドやイエローゴールド、プラチナなど貴金属の木目金は、やはりとても美しいです。
上記の木目金の指輪の完成もお楽しみに。
僕が、これまでに作った数々の指輪はこちらで公開しています。
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http://ringology.org/muscat1b/