- チェインギャングは忘れない/横関 大
- ¥1,575
- Amazon.co.jp
乱歩賞作家会心の書き下ろしミステリー!
忘れた者、乗せた者、恋する者、探す者――。
無関係に見えたさまざまな事実がつながり、最後に待つのは意外な、されど爽快な真相!
「絆ってやつはさ、絶対に忘れちゃいけないものなんだよ」
護送車が襲撃され、五人の男が脱走した。
脱走した男の一人である大貫修二は、
記憶を失い停車中のトラックの前で眠っているところを、
ドライバーの早苗に蹴り起こされた。
その頃、数日後に迫った連続殺人鬼
「サンタクロース」対策配備の準備をしていた池袋署の神埼と黒木は、
大貫が脱走したという知らせを聞き、秘密裏に捜査をはじめる。
軽快なテンポに乗せて鮮やかに展開される横関ミステリー、
驚愕必至の最新刊!
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
話が面白かったというよりも人の魅力だろうか。
話自体は突っ込みどころたくさん、というか
冷静に考えれば「そんな馬鹿な」なんて思ってしまったりもする。
早苗と修二に関わりにしたって。
車に乗せるとかお金を貸すというあたりまではともかく、
ちゃんと子どもを大切にしているシングルマザーが
何処の誰とも知れない、しかも記憶もないという初対面の男を
子どももいる自宅に招き入れるもんだろうか、とか。
なんだけど、読んでるうちに「まぁいいか」と思ってしまったのは事実。
雀荘に出入りしてみたりと、
教育上よろしくはないこともまるで気にしない修二だけど、
何故か憎めない、思わず笑って許してしまいそうになる不思議な感じで。
最後に明かされる「修二」の秘密も、
最初の数ページを考えれば(思い出せば)「まぁそうなるか」。