『中国毒』 柴田哲孝 | 鈴と空のブログ

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読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

中国毒/柴田哲孝
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激増するヤコブ病患者。
関係者の相次ぐ不審死。
気づいたときには、もう手後れだ。

真実が国民に知らされることは、ない。
全編にみなぎる不穏と緊張。
迫真のエンターテインメント巨編!

絶対にないと言い切れるか?
徐々に明かされる事実から目が離せない!!

厚生労働省健康局疾病対策課の

尾崎裕司が轢き逃げにあい死亡した。
その三日後、

東京医学大学教授・小野寺康夫の他殺体が自宅で発見される。
二人はともに、近頃激増している

クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の
特別調査研究班のメンバーだった。
CJD問題を追う週刊誌記者・奈村由美子は、

二つの事件に強い関心を抱く。
一方、警察庁の外事情報部国際テロリズム対策課刑事・間宮貴司は、
入国が伝えられるテロリスト・毒龍を追っていた。
同じ手口での殺しが続く。
一連の事件は、毒龍の仕業なのか?
毒龍の背後には、誰がいるのか?目的は?
国民の気づかないところで、何かが進行している。
CJD大流行の原因はいったい――!?
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★★☆


気になる要素、引き込まれるポイントはいくつもある。


激増するヤコブ病患者、
しかもこれまでに考えられないくらい若い患者が
都市の集中して増えるという異常事態。


ある狭い地域・特殊な習慣を持つ人たちにしか見られない奇病。
その特殊な習慣というのが……。
現在の日本、しかも各地で見られるとは到底思えないもので、
自身が知らないうちにそんなことに巻き込まれているとしたら、
そう考えるだけでゾッとして震える。


その激増したヤコブ病を研究している関係者が次々と不審死。
厚労省の人間に大学教授にその助手に報道関係者に。
轢き逃げされたり夫婦揃って斬られたり線路に突き落とされたりと。


おまけに凄腕の殺し屋で変装の名人の謎めいたテロリスト・毒龍。
なんだけど、その毒龍がどうにもな……。


地下鉄サリン事件に巻き込まれたせいで
何もかもがそれまでと変わってしまったという間宮、
そんな間宮があれほどまでに執着するだけのものがわからなくて。
これまでにやってきたこと、今回したことの重大性はわかるんだけど。
ああいう出会い方をしたせいなのか。


今回の激増の原因は怖い。
実際にない話じゃない気がしてしまう。
何も知らないうちに巻き込まれている、なんてことがあるのかも。
知ったときには全てが手遅れ、なんてことが。


それにしてもやっぱり、

柴田さんの描く男女はイマイチピンと来ないんだよな。
探偵・神山のシリーズにしてもそうなんだけど、
今回の間宮と奈村の関係もえらく唐突というか違和感というか。