- ダリの繭 (角川文庫―角川ミステリーコンペティション)/有栖川 有栖
- ¥700
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幻想を愛し、奇行で知られた
シュールレアリスムの巨人―サルバドール・ダリ。
宝飾デザインも手掛けたこの天才の心酔者で知られる
宝石チェーン社長が神戸の別邸で殺された。
現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は、
彼のトレードマークであったダリ髭がない。
そして他にも多くの不可解な点が……!?
事件解決に立ち上がった推理作家・有栖川有栖と
犯罪社会学者・火村英生が難解なメッセージに挑む!
ミステリー界の旗手が綴る究極のパズラー。
――――― 裏表紙より
個人的評価 : ★★★☆☆
なくなった髭の意味、そういうことか。
読み終わってから考えると、
その真相はどこかで見たことある手ではある。
ネタバレになるから詳しくは書けないけど、
髭がなくなったその理由、その行動の意味は。
「初めて聞いた!」って斬新な手でもないのに、
読んでる間はまるで気づかなかったな。
あの人にそういうことをする人だという印象はなかった。
疑わしい人が浮かんでは容疑の圏外に、の繰り返しで面白く読んだ。
“フロートカプセル”とやら。
私は試してみたいとは到底思えなかったけど、
何もかもから遮断された空間での40分を
どうしても必要とする人もいるんだろうな。
アリスが初めて小説を書いたときのエピソードにビックリ。
小説を書き始めたのにはあんなしんどい理由があったのか。
最近読んだこのシリーズの他のものより
アリスと火村の距離が近いような気がする。
付き合いが長くなって、さっぱりしていくってことなんだろうか。