『君の望む死に方』 石持浅海 | 鈴と空のブログ

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あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

君の望む死に方 (ノン・ノベル)/石持 浅海
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膵臓ガンで余命6ヶ月――。
<生きているうちにしか出来ないことは何か>
死を告知されたソル電機の創業者日向貞則は社員の梶間晴征に、
自分を殺させる最期を選んだ。
彼には自分を殺す動機がある。
殺人を遂行させた後、殺人犯とさせない形で――。
幹部候補を対象にした、保養所での”お見合い研修”に
梶間以下、4人の若手社員を招集。
日向の思惑通り、舞台と仕掛けは調った。
あとは、梶間が動いてくれるのを待つだけだった。
だが、ゲストとして招いた一人の女性の出現が、
「計画」に微妙な齟齬をきたしはじめた……。
―――― 裏表紙より


個人的評価 : ★★★☆☆

少し4つに寄る3つ。


あの後結局どうなったんだろう……。
実に気になる。
普通に考えれば「計画」は成功しそうなものだけど、
疑いを避けるために、と真剣にやればもしかして、ということも……?


「ゲストとして招いた一人の女性」であるあの彼女のしたこと、
それらのほとんどは間違っちゃいないんだろうと思う。
殺人を防ごうとしたわけだから。
時と場所が違えばいいの?なんて事も少々思ってしまったけど。


ただ正直なところ、どうもスッキリしない、とも思えてしまう。
特に最後の一手。

あれやこれやと考えて動いて事件を防ごうとしたわりに、
最後はそんなことしちゃうの?、という感じ。
あれじゃ事件を防げる保証はまるでないし、
もしかしたら別の事件が起こってしまうかもしれないのに。

多少なり繋がりのある社長の方が大切だから?

それにしても自分の居合わせる場で云々というのも
そちらなら別に構わないということなんだろうか。


梶間には確かに動機があって、殺人を目論んではいるんだけど、
それだけのエネルギーを感じないのはなんでだろう。
冷静であるんだろうなとは思う。
犯行が発覚することやら逮捕されることを避けるために
危険を一つずつ潰していこうとしているのは分かる。
けど、「冷静である」というだけではないように思えてしまって。