- 図地反転/曽根 圭介
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ある地方都市で起きた幼女殺害事件。
だれが見ても、あいつが犯人だった。
『沈底魚』から二年。
日本推理作家協会賞も受賞した、
江戸川乱歩賞作家の社会心理ミステリー、ついに刊行!
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
「冤罪」というテーマは面白かった。
幼女殺害事件の真相はそんなに好きだとは思えない。
その部分に関してはどうも……。
ミステリーとしてというよりも「冤罪」というテーマをメインに読んだ感じか。
ラストは少々びっくり。
そうか、そこで終わるかぁ……、って。
グダグダ続けず終わらせるのが効果的なこともあるだろうけど、
果たして今回がそうだったかと言うと個人的には微妙なところ。
「余韻を残す」程度なら好きだと思うこともあるけど、
色々気になるままのことが多すぎて。
あの遺族は(ついでに元刑事は)あの後どうしたんだろう。
目の奥にかいま見えたものが暴走(爆発)してしまったんだろうか。
そうだったとしたら元刑事は止めたろうか。
それとも金を引き出す新たな理由にほくそ笑んだか。
彼は目的の相手を捜し当てられるのか。
その時、刑事としての自分を保てるのか、
刑事であることを忘れて遺族に戻ってしまうのか。
他にも再審請求はどうなったんだろう、とか
大家さんの家族の件は解決するのか。
などなど。