『ミッシング』 本多孝好 | 鈴と空のブログ

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たまに真面目なことをかいたりもするかも。

MISSING (双葉文庫)/本多 孝好
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小説推理新人賞受賞作家


受賞作「眠りの海」を含む処女短編集


新しい才能が放つこの繊細な視線が
「私」の心の渇きを白い光で充たす。


この5つの物語は、あなたの中に潜む
ミステリアスな風景を激しく呼び覚ますだろう………。
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★★☆


アンソロジーでは(ついこの間も)読んだけど
一応初めましてってことの本多さん。


どれも「えぇ、そういうこと!?」というよりは
「やっぱり…」という方が近いか。


この1冊を好きか嫌いかで言うと好き。

けど、なんか不思議な感じだった。


全体的にはなんとなく優しげな雰囲気。
書いてある内容が全部優しいというわけじゃないのに。
それどころか毒とか攻撃性も感じちゃう部分もあるのに。


一番気になったのは『蝉の証』。
“気になった”であって“好き”というわけじゃないんだけど。


少女と老人の関係は早い段階でわかっちゃうし
老人が少女を探させた理由もさほど斬新ではない。
「面白かった!」というのとはなんとなく違うのに
妙に気になるというか引っ張られるというか。


“蝉の証”としてうるさく鳴くのは構わない。
偲んで欲しいと思うのも尤も。
ただそのやり方、それを求める相手がな…。


それまでの何年もがあったんだというのはわかるんだけど
今の人間関係をさほど大切にしてないようにみえるから
きっとなおさら引っかかるんだろうな。


どうも「ずるい」と思えちゃって駄目だ。
私は心が狭すぎるのかもしれない。