- グラスホッパー/伊坂 幸太郎
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復讐。功名心。過去の清算。
それぞれの思いを抱え、男たちは走る。
3人の思いが交錯したとき、運命は大きく動き始める…。
クールでファニーな殺し屋たちが奏でる狂想曲。
書き下ろし長編。
――――― 「MARC」データベースより
個人的評価 : ★★★☆☆
若干4つに寄る3つ。
正直最初に強く感じたのは
「伊坂さんってこんな感じだっけ?」。
鈴木・蝉・鯨の3人の視点で話が進んでいく形。
鈴木は妻の復讐のために違法な仕事をしている元教師。
蝉は気に入らない上司の命令を受けて仕事をする殺し屋。
鯨は政治家らの依頼で都合の悪い人間を自殺させる自殺屋。
そういう形だったので
一風変わってはいてもどこか魅力的だったり憎めなかったり、
そういうキャラクターたちのそれぞれの物語が
最後に向かって綺麗にまとまっていく、
そういう感じを期待してたので。
なんせ出てくる人間が気持ち悪い。
鈴木・蝉・鯨の3人もやってることは真っ当なことじゃないけど
それでもこの3人はそれなりに面白さはある。
けど、鈴木の復讐相手である寺原長男とか
彼の部下で鈴木の上司である女とか、嫌い。
3つの話が一つにまとまるというのはその通りなんだけど、
それも期待してたほどの美しさや衝撃はなくて。
そこにもっと「おぉっ!」と思えてれば
登場人物への嫌悪感を帳消しにして
話全体の評価も上がったんだろうとは思うんだけどな…。
伊坂さんのでこんなに時間掛かったのは『重力ピエロ』以来かも?