過去を振り返る。
懐かしい記憶が甦える。
’60年代……そして現代。
郷愁・ウィット・ファンタジーで織り成す
奇才、清水義範のレトロ小説集。
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★☆☆
4つ寄りの3つ。
ここ2作が硬い(しかもあまり好みに合わない硬さ)のだったので
お気楽というかあまり力を入れずに読めるということで清水さん。
そういう意味では期待通りかな。
これに書かれてるのは私にとっては
「懐かしい」世界ではないんだけど。
なので書かれてる内容を「懐かしい」と楽しむというよりは
ホントに楽にすらすら(あっさり)読んだ、という感じか。
『レトロ一九八八』が結構好きだった。
タイムトラベルを書いたものは珍しくもないけど、
それをツアーの観光旅行でというのは初めて読んだ気がする。
しかもずっとお気楽というか、軽めの感じだったのに
最後だけちょっと雰囲気が変わって。
「歴史を変えちゃいけない」というのは大鉄則なんだけど、
自分があの場にいて、数日後に何が起こるのか知ってたら。
その場で悲劇が起こるのを知ってて、
「余計なこと言っちゃいけないから」って何もせずに
「数日後にはあれが…」って「スリルを楽しむ」なんて
そんな遊びはすごく嫌。
何もしちゃいけない、何も出来ないというなら
そんなところには行きたくない。