革命を記録したハリウッド俳優 | MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

話は1959年前後に戻りますが、革命下のキューバを記録したハリウッドスターがいます。その人の名はエロール・フリン
フリンはヴィクトール・パーレン(Victor Pahlen)というプロデューサーと、バティスタ政権末期のハバナで映画館を経営しており、それで頻繁にキューバを訪れていたらしい。
もっとも本当の目的は「ナイトライフ」だったとの噂もあるけれど。
革命の勝利と共に1959年が明けたとき、二人はたまたまハバナに滞在中。
さっそく歴史的瞬間をカメラに収めました。
キューバ革命についてアメリカのTV番組で語るエロール・フリン。

こうしてアメリカ人がキューバの内側から撮った貴重なドキュメンタリー
『キューバン・ストーリー』
が生まれたのでした。
ところが本作品、それから約50年間ほとんど上映されることのないまま、イギリスのある場所に保管されていたのだとか。そして半世紀後、パーレン家の協力を得てビデオ化、ようやく陽の目を見たのでした。

さて肝心の内容ですが、あいにく未見のためレビューから推察するに、「一見の価値」はありそう。親カストロ調であることも米国人にとっては珍しいようです。
YouTubeの画像でほんの一部分見られます。
カジノで遊ぶエロール・フリン御一行。


このシーンのあと、華やかなハバナの「裏の顔」が続くようですが、
享楽と貧困が隣り合わせだった当時の様子が伺われます。
「キューバはすなわちハバナでした。享楽と背徳の都ハバナ。バチスタは一握りの特権階級のために、ハバナをそのように仕立てたのです」
(フィデルの言葉)
そういえばあのゴージャスな「ホテル・ナシオナル」も米国のギャングが経営していたとか。
映画『ゴッドファーザーⅡ』にも、そんな「享楽と背徳の都ハバナ」が描かれています。