映画 『Viva Cuba (ビバ・キューバ)』 | MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

パブロさんの明るく楽しい話題のあとは、ちょっと気を引きしめて、今(に始まったことではないかもしれませんが)問題の「キューバから外国への移民」という現象をテーマにした最新の映画を紹介します。
「移民」をテーマにしたキューバ映画は珍しくはないのですが、この映画は子供の身になって扱っているのが特徴。

昨年12月のハバナ映画祭のコンペティション参加作品です。

また、カンヌを始めいくつかの映画祭でも受賞を果たしています。


Viva Cuba (ビバ・キューバ)2005年/80分/キューバ・フランス

        Viva Cuba
監督:ファン・カルロス・クレマタ・マルベルティ、イライダ・マルベルティ・カブレラ
脚本:ファン・カルロス・クレマタ、マノリート・ロドリゲス
撮影:アレハンドロ・ペレス
編集:アンヘリカ・サルバドール
美術:ギジェルモ・ラミレス・マルベルティ
音楽:アマウリー・ラミレス・アルベルティ、スリム・ペシン
録音:フランクリン・エルナンデス、オスマニー・オリバレス、
ディエゴ・ハビエル・フィゲロア


あらすじ
マルー♀ホルヒート♂は同じ小学校に通う仲良し。
ところがマルーの祖母が亡くなったのを機に、ママは彼女を連れて、恋人がいる外国へ移住することを決意。

でも、マルーは大好きな友達やキューバと離れるなんて絶対にイヤ!
そこで、なんとかママの計画を阻もうとします。


実は、マルーのママとパパは別居中。今パパはキューバの東端、バラコアの灯台で働いているのです。

“もしパパが離婚届にサインをしなければ、ママは出国できないはずだわ”
そう考えたマルーは、“離婚を承諾しないよう”パパを説得することに。

それを知ったホルヒートはバラコアまで一緒に旅にでようと提案します。
こうして2人の幼いバックパッカーは、ハバナからバラコアまで長い長い旅に出ます…


MARYSOLの鑑賞メモ
“キューバでは初めて子供が主人公になった映画”だそうです。
そして、私の知る限り“キューバ初の本格的ロードムービー”。
ハバナからバラデロマタンサスカマウェイと電車やバスを乗り継ぎ、お金が尽きればヒッチハイクや徒歩で…と、2人が最終地バラコアに着くまでのあいだ、危かしい様子にハラハラ・ドキドキしながらも、目は確実に美しいキューバの景色を楽しんでいました。
きれいだったな~、もう一度見たいし,行ってみたい…


主役の子供たちと珍道中が楽しめた一因には、バラエティ豊かな♭キューバンミュージック♪の“伴走”のおかげもあるでしょう。音楽もなかなか吟味されていたように思います。

『小さな恋のメロディ』みたいかも。

ただ、イギリス人に比べると、キューバ人は子供の時からテンションが高めで、リアクションも過剰気味ですが…


それにしても、必死で大人たちの都合から自分たちの大事なものを守ろうとする意思の強さ、あきらめないで運命を切り開こうとする幼い生命力には心を動かされました。
子役も達者で可愛かったし。


一方、我が子を愛し心配しながらも身勝手な親たちや、旅の途中で遭遇する人たちの姿も示唆に富み、なかなか味わい深いものがありました。
「子供の映画でしょ?」なんて言う人もいましたが、大人の鑑賞に十分堪える映画です。

(このテーマ、続く予定)