誰しも早く老けたいとは思わないものである。
体が痛くなったり、顔の皺が増えたり、白髪が増えたりする老けは、極力来て欲しくないと思う。
成人した人は老けるために生きている。
この老けが、外見的に、あるいは痛みとして感じられるだけのものであれば、誰しも避けたいと思うものだ。
だが、見た目や体は老けようとも、内面的に充実する心は育てることができる。
成熟した心を求めるためには、老けることによる落ち着きが、うまく作用するとも思える。
成熟した心は、考える頭で育てるものではなく、感じる気持ちで育てるものだろう。
年を取るとともに、小さな詮索を捨てていけば、清浄な国土に生きることもできるだろう。
人は老けを考えることによって悪いように解釈してしまう。
老けは生きる者にとって当然のことであり、うまく付き合えば生かすことができる。