科学によっては救われない私の命。
命が救われると言えば、病気などから助かることを意味するように聞こえる。
確かに物質的には治療によって病気から命を救われることもあろう。
しかし、現代人が本当に救われたいと思っているのは、科学的方法によってではなく、神秘的方法によってではないだろうか。
神、仏の力を借りて、命を救われるという意味である。
命とは、自分のものであって自分のものでない、これまた不思議なものである。
明日の命があることを保障される人は一人もいない。
科学は人を物質的に救済する方法であって、人を精神的に救済する方法ではない。
この意味では、もし心理学を科学というのならば、心理学によっては本当の精神は救済されないことになる。
心理学が最終的に目指すのは人それぞれに平等に与えられた命の問題であるはずだ。
この意味で、宗教観は心理学の最後の砦として必ず現れる。
科学から宗教観へシフトしつつ、命の問題を捉えていくのが、内側へ向けた成長過程である。
科学と宗教、本当は切っても切れない縁にあるはずだが・・・・・・。