特許事務所で働いているなら、「いつかは独立を!」と考えるのが自然でしょう。
すべての事務所はもともと零細企業で、個人で始めたものなので・・・。
ただ、今、1人事務所は廃業に追い込まれるとのうわさを聞く。
たしかに当たってはいるだろう。
業務の効率化が求められているのだから、1人でやるよりも大勢でやった方が効率的に違いない。
だから、最近の弁理士は独立を考えない人が多い。
ほんとうはやりたくても、諦めさせられているのだ。
実力は大事だ。
早く、優れた明細書を書けなければ、独立したって成功するはずがない。
単純にピンはねされるのをなくして報酬を上げようなどと、あまい気持ちで独立しても失敗する。
今から10年以上前はこんな考え方でも成功できたのかもしれない。
しかし、今は違う。単純に弁理士の数が増えたからという理由だけではない。
業界構造が変ろうとしているのだ。
大企業は、コスト削減を目標に、より収益に繋がる方向性を探っているのだろう。
管理の手間を省くために、信頼できる事務所に絞って実質的な業務の全体を依頼しようとしているのだろう。
それと合わせ、事務所の下請化を促進し、一層の効率化を事務所に要求し、コストダウンを目指すのであろう。
独立することだけが目標にはならない。
社会にとって、個人にとってより有益となるビジョンが描ける方向に進むべきだ。
独立を考えず、パートナーを目指す人が多いのだろう。
確かに、一から始めるのは大変な動力を必要とするので、これは正解でもあるだろう。
新規参入の壁は高い。
しかし、現実に独立しなくても、独立しようとする意思はいつも必要だと気付いた。
この意思を持っていないと、流されるだけ流され、積極的な気持ちになれず、他人のことなどどうでもよくなり、周りに無関心な住民となるからだ。
独立する目的は、より人のためとなる職場環境を作ることにある。自分のためはその次でもよい。
より必要とされることを実現するために、自らの意思で立ち上がりたいものである。
不利益を鑑みず。
それが理想的な生き方である。